2022-08-02 著者による訂正へのリンクを追加: "Author Correction: Programmable RNA targeting with the single-protein CRISPR effector Cas7-11" Özcan A, Krajeski R, Ioannidi E. et al. Nature 2022-07-27. https://doi.org/10.1038/s41586-022-05003-6
2021-09-10 Nature 論文に準拠した初稿
[出典] "Programmable RNA targeting with the single-protein CRISPR effector Cas7-11" Özcan [..] Abudayyeh OO, Gootenberg JS. Nature. 2021-09-06. https://doi.org/10.1038/s41586-021-03886-5
2021-09-10 Nature 論文に準拠した初稿
[出典] "Programmable RNA targeting with the single-protein CRISPR effector Cas7-11" Özcan [..] Abudayyeh OO, Gootenberg JS. Nature. 2021-09-06. https://doi.org/10.1038/s41586-021-03886-5
McGovern Institute for Brain Research at MIT, ETH Zurich, Harvard University, およびNCBIの研究グループからの論文.
[背景]
- CRISPRシステムはクラス1とクラス2に大別されている.クラス1のCRISPRシステムは,複数のCasタンパク質からなるエフェクター複合体で定義され,クラス2のシステムは,crRNAの結合と干渉を媒介するマルチドメイン単一タンパク質のエフェクターで定義されている.
- 既知のCIRPSRシステムの中でタイプIIIとタイプVIのみがRNAを標的とする.タイプIIIでは,RNAのターゲティングはCas7によって行われ,RRMドメインの酸性残基が一定の間隔でガイド:ターゲット二重鎖の切断を触媒する.タイプVIでは,単一タンパク質エフェクターであるCas13が2つのHEPNドメインの塩基性残基によってRNAを標的し,標的認識をトリガーとして非選択的RNA切断が進行する (コラテラル活性を発揮する).
- Cas13は,超高感度な核酸検出アッセイや一連のRNAターゲティング技術に利用されているが,Cas13のコラテラル活性は複数の型の哺乳類細胞において細胞毒性を引き起こすことから,より優れたツールが望まれる.
- 最近同定されたCRISPRサブタイプIII-Eのエフェクターは,4種類のCas7グループのタンパク質と1種類のCas11 (Csm2)様のタンパク質が融合した単一タンパク質と予測された [Makarova KS et al. 2019 https://doi.org/10.1038/s41579-019-0299-x; Figure 1 https://www.nature.com/articles/s41579-019-0299-x/figures/1 参照]
[成果]
- 研究グループが,バクテリアゲノムとメタゲノムの配列を~116億個のタンパク質配列と照合した結果,サブタイプIII-Eシステムが17遺伝子座に拡張され,また,3つのCas7ドメインが1つのタンパク質に融合していることを特徴とするIII-Dサブタイプの未知の変異体 (III-D2)を発見した.
- 系統解析した結果,3つのCas7ドメインを持つサブタイプIII-D1から,3つのCas7タンパク質が融合してサブタイプIII-D2となり,さらにもう1つのCas7タンパク質とCas11タンパク質が融合してIII-D2からIII-Eへと進化したことが示唆された [この段落について論文Fig 1 https://www.nature.com/articles/s41586-021-03886-5/figures/1参照].
- Desulfonema ishimotonii 由来のCas7-11 (DiCas7-11)を大腸菌で発現させると,mRNAやバクテリオファージに対してRNA干渉効果を発揮した.
- DiCas7-11は,クラス1システムの中ではユニークであり,クラス2の多くのエフェクターと同じように,プレcrRNAをcrRNAヘと成熟させ,標的配列とスペーサ配列の二重鎖で規定される位置でRNAを切断した.非選択的活性 (コラテラル活性)は示さなかった (非検出であった).
- DiCas7-11は,哺乳類細胞においてRNAのノックダウンと編集を可能とした.
- shRNAやCas13などの他のRNA標的エフェクターが細胞毒性を示したのに対して,DiCas7-11は細胞の生存率に影響を与えなかった.
- DiCas7-11はサイズが大きい (1,602-aa)ことから,アデノ随伴ウイルス (AAV)のような従来の送達ベクターには容易にパッケージできない"弱点"があった.研究グループは熱水噴出孔 (hydrothermal vent microbial metagenome sample)の微生物メタゲノムサンプルから,AAVにパッケージ可能でかつ,HEK293FT細胞およびHepG2細胞においてレポーターおよび内在性転写産物の双方をノックダウンするCas7-11 (hvsCas7-11)を同定した.
コメント