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論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

[出典] "Versatile CRISPR-Cas12a-Based Biosensing Platform Modulated with Programmable Entropy-Driven Dynamic DNA Networks" Wang C, Han C, Du X, Guo W. Anal Chem 2021-09-14. https://doi.org/10.1021/acs.analchem.1c01597
 Cas12aのコラテラル活性を利用するシグナル増幅の仕組みは,核酸検出の性能向上に加えて,核酸以外の分子の超高感度な直接検出に向けて,既存のありとあらゆるサンプル処理技術とシグナル検出技術の組み合わせが試されているようだ.
 EDC南開大学の研究チームは今回,サンプル処理技術として酵素を必要としない安定な「エントロピー駆動型ダイナミックDNAネットワーク (the entropy-driven dynamic DNA network) [*]」を採用することで,汎用的なバイオセンシング・システムを開発した [Graphical Abstract引用右図参照].このDNAネットワークの配列をプログラムすることで,核酸やタンパク質などの異なるタイプの標的を検出可能になる.
 概念実証実験として,核酸 (ランダムなDNA配列とマイクロRNA (miR-21),および,非核酸標的 (トロンビン)の双方をモデルとして,それぞれ,検出限界として7.4 pMと25.5 pM,および,0.4 nMを達成した.
 さらに,ヒトの血清サンプル中のmiR-21とトロンビンの検出にも成功した.
 
 [*] エントロピー駆動型ネットワークの参考文献 
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