crisp_bio

科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

2022-04-30 iScience 誌査読論文としての書誌情報を追記
2021-09-24 初稿
[出典] "Synthetic lethality-based prediction of anti-SARS-CoV-2 targets" Pal LR, Cheng K, Nair NU, Martin-Sancho L [..] Chanda SK, Ruppin E. (bioRxiv. 2021-09-15) iScience 2022-04-27/05-20. https://doi.org/10.1016/j.isci.2022.104311
 NCI/NIH, Sanford Burnham Prebys Medical Discovery Instituteなどの研究グループは,先行研究で,ヒト癌のゲノムとトランスクリプトームのデータから癌細胞を合成致死 (syntetic leathal, SL)に導く遺伝子パートナーの同定を実現したデータ解析パイプライン ISLE(identification of clinically relevant synthetic lethality) [*]を,SARS-CoV-2感染細胞に適用し,その結果得られたSLパートナーを,CRISPR-Casゲノムワイド遺伝子スクリーニングとsiRNAスクリーニングで検証した.
 SARS-CoV-2感染ヒトサンプル (in vitro とin vivo )を対象とした公開宿主細胞遺伝子発現データセットから,ウイルス感染に応答した発現が有意に上昇した遺伝子群 [以下,DE (differentialy expressed) 遺伝子]を同定し,DE遺伝子をベースとしてISLEパイプラインを利用して,454種類のSLパートナー候補を発見した.SLパートナー候補のターゲット群は,4種類のSARS-CoV-2 CRISPR-Casゲノムワイド・スクリーニングにおいて,そのノックアウトによって生存率が有意に高くなる感染細胞に濃縮されていた.
 こうして,ISLEによる予測とスクリーニング結果を統合して,26種類の遺伝子を選択した上で,ヒトCaco-2細胞 (ACE2 とTMPRSS2 を発現)においてsiRNAスクリーンを行なった.その結果,これらの遺伝子ノックダウンによって,重要なことに非感染細胞に影響することなく,感染細胞においてのみウイルスの複製を抑制し,感染細胞の生存率が低下することが,明らかになった.

 [*] 参考文献
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
顔
星