crisp_bio

科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

2021-12-20 eLife誌からの査読済み論文の書誌情報と具体的データを追記
2021-09-28 bioRxiv 投稿に準拠した初稿
[出典] "Enhanced Specificity Mutations Perturb Allosteric Signaling in CRISPR-Cas9" Nierzwicki Ł,  East KW,  Morzan UN,  Arantes PR,  Batista VS,  Lisi GP,  Palermo G. (bioRxiv 2021-09-14eLife 2021-12-15. 
 https://doi.org/10.7554/eLife.73601
 UC Riverside, Brown U, Yale UおよびInternational Centre for Theoretical Physics (トリエステ) の研究グループは,精度向上に最も貢献すると思われるHNHドメインにおける3種類の変異 (K810A, K848A, およびK855A) が構造と動態に及ぼす作用を,溶液NMR,分子動力学シミュレーション,およびグラフ理論に基づくネットワークモデルを併用した実験と計算によって探り,3種類の変異がHNHドメインのアロステリック構造を変化させ,DNA認識領域から切断のための触媒部位へのシグナル伝達に影響を与えることを確認した.
 具体的には、K855A変異はHNHドメインのアロステリック連結性を強く阻害し、シグナル伝達に最も大きな撹乱を与えるが、K810AおよびK848A変異はアロステリック伝達に比較的穏やかな影響しか与えない。このアロステリックシグナルの差次的変動は、生化学的研究で観察される特異性増強の順序(K855A > K848A ~ K810A)と相関しており、最も高い特異性を示す変異がシグナル伝達を最も強く変動させている。
 これらの知見は、DNA認識から切断へのアロステリックコミュニケーションの変化がCas9の特異性向上に重要であり、変異研究を通してアロステリックホットスポット[*]を標的とすることでシステムの機能を改善できることを示唆している。[*] eLife論文のFigure 6参照
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット