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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

[注] Cas13をベースとするSHERLOCK (Specific High Sensitivity Enzymatic Reporter UnLOCKing)に対して,CsmをベースとするMORIARTY (Multipronged, One-pot, target RNA-Induced, Augmentable, Rapid, Test  sYstem)登場
2021-10-03 19:30 [BEHIND THE PAPER] "MORIARTY: A CRISPR tool to detect SARS-CoV-2" Sridjara S, Goswami HN, Whyms C. 2021-10-01. https://bioengineeringcommunity.nature.com/posts/moriarty-a-crispr-tool-to-detect-sars-cov-2
2021-10-03 05:57 初稿 
[出典] "Virus detection via programmable Type III-A CRISPR-Cas systems
Sridhara S, Goswami HN, Whyms C, Dennis JH, Li H. Nat Commun. 2021-09-27. https://doi.org/10.1038/s41467-021-25977-7
 Florida State Universityの研究グループは,その構造と特性を明らかにしていたLactococcus  lactis 由来タイプIII-A CRISPR-Casシステム (LlCsmシステム)をベースとして [*1] SARS-CoV-2検出ツールを開発し,MORIARTY (Multipronged, One-pot, target RNA-Induced, Augmentable, Rapid, Test  sYstem)として発表した.
Csmの特徴 [*1, *2]
  1. Csm3サブユニットによるウイルス転写産物の特異的切断
  2. Csm1サブユニットのHDドメインによる副次的DNase
  3. Csm1のGGDDモチーフによる環状オリゴアデニル酸 (cOA) 合成とcOAを介したCsm6による副次的RNase
  • 項目2のDNaseに加えて項目3のcOAで増幅されるRNaseによる二重の副次的活性は,汎用的なウイルス検出のために利用可能である.
  • さらに,CsmがウイルスのRNAまたはその転写も反応することから,Csmを用いた検出はRNAおよびDNAウイルスの双方の検出に利用可能である.
  • これまでに,タイプIII-AとタイプIII-BをベースとするSARS-CoV-2の高感度検出法が報告されている.既報のタイプIII-AベースのCRISPRdxは,cOAを介したCsm6 RNaseに加えて,Csmが生成するピロリン酸とプロトンを利用した読み出しを提供した.
成果
  • RNAおよび転写活性化された2種類の核酸切断活性と,内部シグナル増幅を利用して,高感度かつ複数の設定でのウイルス検出を可能にした [左下図参照].
MORIARTY 1 MORIARTY 2
  • CsmをベースとするCRISPRdxをSARS-CoV-2の検出に適応し,無増幅で30分以内に2000コピー/μlの感度,等温増幅を経て60コピー/μlの感度,を達成し,双方についてSARS-CoV-2感染者の診断が可能なことを示した [Fig. 2右上図参照].
 [参考crisp_bio記事]
  1. 2021-02-03 タイプIII-AシステムのRNA/ssDNA/ssRNA切断活性とエフェクターのダイナミクスの相関.https://crisp-bio.blog.jp/archives/25487246.html
  2. 2020-07-29 [レビュー] タイプIII CRISPR-Casに特徴的なRNA/DNA切断活性の構造基盤.https://crisp-bio.blog.jp/archives/23739076.html
  3. 2020-10-25 新型コロナウイルス: タイプIII-A CRISPRシステムによる検出.https://crisp-bio.blog.jp/archives/24574006.html
  4. SCOPE: タイプIII-B CRISPR-Casの非選択的RNA切断活性を活かしたSARS-CoV-2の高感度検出法.https://crisp-bio.blog.jp/archives/25530851.html
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