2021-10-10 関連crisp_bio記事へのリンクを追加
[出典] "Whole chromosome loss and genomic instability in mouse embryos after CRISPR-Cas9 genome editing" Papathanasiou S, Markoulaki S [..] Jaenisch R, Pellman D. Nat Commun 2021-10-06. https://doi.org/10.1038/s41467-021-26097-y
- 2021-10-10 CRISPR-Cas9は,生体内のオンターゲットおよびオフターゲット部位に構造変異を誘導し,それは,世代を超えて遺伝する.https://crisp-bio.blog.jp/archives/27594633.html
[出典] "Whole chromosome loss and genomic instability in mouse embryos after CRISPR-Cas9 genome editing" Papathanasiou S, Markoulaki S [..] Jaenisch R, Pellman D. Nat Commun 2021-10-06. https://doi.org/10.1038/s41467-021-26097-y
David Pellmanが率いるHarvard Medical SchoolとDana-Farber Cancer Instituteの研究グループは,CRISPR-Cas9によるDNA二本鎖切断 (DSB)が,ヒト細胞株と初代血液幹細胞において,小核や染色体架橋を生成することを明らかにし,クロモスリプシスと呼ばれる破滅的な突然変異プロセスを引き起こすことを2021年4月にNature 誌に発表していた [*].
研究グループは今回,マウスの着床前胚において,CRISPR-Cas9によるDSBが同様の分裂エラーを引き起こすことを示し,CRISPR-Cas9が染色体全体の損失をもたらす機序を論じた.
- CRISPR-Cas9によるオンターゲット編集が核型変化をもたらすことが報告されている.
- マウス胚において,8細胞期の胚のイメージングとシングルセル・シーケンシングを利用して,胚発生の第1~3分裂期における自然発生的な核型異常と,Cas9による核型異常を追跡した.
- 小核や染色体架橋などの有糸分裂のエラーの結果として生じる核の異常構造を観察し,最近,胚の編集後に報告されている全染色体欠損を含む一般的な核型異常への寄与を明らかにした
- Cas9を介した生殖細胞のゲノム編集は,胚発生のいくつかの段階にわたって伝播する重大な染色体構造改変を含む望ましくないオンターゲット編集の副作用を引き起こす可能性があることが明らかになった.
[*] 2021-04-16 CRISPR-Cas9ゲノム編集はクロモスリプシスを引き起こす. https://crisp-bio.blog.jp/archives/26097932.html; "Chromothripsis as an on-target consequence of CRISPR–Cas9 genome editing" Leibowitz LW, Papathanasiou S [..] Weiss MJ, Pellman D. Nature 2021-04-21. https://doi.org/10.1038/s41588-021-00838-7
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