[注] PEDAR: PE-Cas9-based deletion and repair
[出典] "Deletion and replacement of long genomic sequences using prime editing" Jiang T, Zhang X-O, Weng Z, Xue W. Nat Biotechnology 2021-10-14. https://doi.org/10.1038/s41587-021-01026-y
University of Massachusetts Medical Schoolの研究グループからの論文:
- 6万種類を超える既知のヒト病原性突然変異の約14%を占めるゲノムの挿入,重複,挿入/欠失 (indels)は,これまでの遺伝子編集法では正確または効率的に修正することができない.特に,100塩基対 (bp)を超える改変の修正は不可能である.
- 研究グループは今回,PEツールを最適化することで,修復用DNAテンプレートを外部から導入することなく,正確なゲノム欠失と同時に1-kbから10-kbの範囲のゲノム断片を希望する配列 (最大 60-bp)へと置換することに成功した.

- オリジナルのPEはCas9ニッカーゼに逆転写酵素 (RT)を結合させていたのに対して [右図のPEモデル図参照],Cas9ヌクレアーゼにRTを結合し (PE-Cas9),このPE-Cas9に,相補的なDNA鎖を標的とする2種類のpegRNAと組み合わせる"PE-Cas9-based deletion and repair (PEDAR)"法を開発した [Fig. 1 b 参照].PEDAR法では,2ヶ所にDSBを導入し,2つの切断部位の間に介在するDNA断片が切除され,同時に,pegRNAの3′末端伸長部分にあるRTテンプレートを用いて,目的の編集がターゲット部位に組み込まれる.
- PEDAR法は,レポーターシステムや内在性遺伝子座を標的とする編集において他のゲノム編集法に優り,大規模かつ正確なゲノム変化を効率的に作出できる.
- チロシン血症のマウスモデルにおいて,PEDARはFah 遺伝子内の1.38kbの病原性挿入部位を除去し,その後の欠失接合部を正確に修復して、肝臓におけるFAHの発現を回復させた。
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