[出典] "Identifying regulators of parental imprinting by CRISPR/Cas9 screening in haploid human embryonic stem cells" Bar S [..] Benvenisty N. Nat Commun. 2021-11-18. https://doi.org/10.1038/s41467-021-26949-7
 哺乳類では,インプリントされている遺伝子が,生殖細胞から継承されたメチル化に差異がある差領域(Differentially Methylated Regions; DMRs) によって制御され,父由来か母由来に応じて,単 (片)アレル性発現に至ることが知られている.しかし,受精後にDNAが全体的に脱メチル化されるにもかかわらず,インプリントされたDMRが維持されている分子機構は殆ど分かっていない.
 The Hebrew University of Jerusalemの研究グループは今回,父方のアレルを持たない単為生殖胚性幹細胞 (human parthenogenetic embryonic stem cells, hpESCs)を用いて,インプリンティングの制御に関わる因子を探った.
  • hpESCでは,DNAメチル化が全体的に失われ,ほとんどのインプリンティングDMRが影響を受けるが,多くの父性発現遺伝子 (paternally expressed gene, PEG)は抑制されたままであった.
  • 半数体ヒト胚性幹細胞 (haploid human embryonic stem cells, hpESCs)を利用してゲノムワイドなCRISPR/Cas9スクリーニングにより,PEGを制御する因子を探索し,ATF7IPが一連のPEGの必須抑制因子であることを同定した.さらに,ATF7IPが,精子特異的な遺伝子の抑制にも必要であることを同定した.