[出典] "An Episomal CRISPR/Cas12a System for Mediating Efficient Gene Editing" Duan N, Tang S [..] Zhou M, Liang D. Life. 2021-11-18. https://doi.org/10.3390/life11111262
 CRISPR/Casシステムによる遺伝子編集は,再生医療への利用が期待されているiPSCなどの幹細胞では特に編集効率が低いことが知られている.中南大学 (長沙市)の研究グループは今回,CRISPR/Cas12aとOrip/EBNA1が組み込まれたエピソーマルベクターにてデリバリーする遺伝子変種システム (COE)を設計・検証した.
  • HEK-293T細胞を対象として,フローサイトメトリーとRFLPにより編集効率を評価し,続いて,COEをiPSCにヌクレオフェクションし,PCRとサンガーシーケンシングによって編集効率を評価した.
  • HEK-293T細胞では,時間を延長することで,最大90%の挿入・欠失率を達成した.
  • iPSCにおいて,ジストロフィン遺伝子 (DMD)のエクソン51を含む2.5kbの断片の欠失を試み,解析した14クローンのうち3クローンに欠失が見られた.
  • さらに,心筋細胞由来のエクソン51を削除したiPSCは,デュシェンヌ型筋ジストロフィー (DMD)患者由来のiPSCと同様の発現プロファイルを示した.
  • COE編集細胞は,プラスミドの各成分フリーであった.
 COEは安全で強力な遺伝子編集の新たなツールである.