[出典] "Simultaneous high-efficiency base editing and reprogramming of patient fibroblasts" Jalil S [..] Wartiovaara K. Stem Cell Rep. 2021-11-24. https://doi.org/10.1016/j.stemcr.2021.10.017
University of Helsinkiの研究グループは今回,塩基エディターABEを利用して,線維芽細胞の塩基編集とリプログラミングを同時に行う高効率な手法を開発した [グラフィカルアブストラクト引用右図参照].
概念実証実験において,NOTCH3 または LDLR 遺伝子におけるフィンランド人に見られる病原性体細胞点変異を帯びた4人の患者の皮膚生検由来の線維芽細胞に,病原性点変異を標的とするABEシステムとリプログラミング因子をエレクトロポレーションすることで変異を修復したiPS細胞を樹立した [Figure 1の一部引用左図参照].その上で,実現した変異修復がLDLR 活性を回復させることを確認した.
この手法によって,細胞培養時間が大幅に短縮され,in vitroでの異常のリスクを低減しながら,これまでにない効率と堅牢性で数十の遺伝子編集ヒトiPSCモノクローナル株を得ることができる.
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