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論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

[出典] "In situ hand-in-hand DNA tile assembly and CRISPR/Cas12a-based ultrasensitive detection for leukemia diagnosis" Pu H, Sui M [..] Wang S, Lu Z, You R. Sens Actuators B: Chemical. 2021-11-24. https://doi.org/10.1016/j.snb.2021.131112
 CRISPR/Cas12aのコラテラル活性をベースとするシグナル増幅モジュールは,DETECTRの発明以後,さまざまな標的DNA増幅法,および,さまざまな,読み出し法と組み合わされて,膨大なバリエーションが提案されてきた.
 江西師範大学,福建医科大学,および湖南大学の研究グループは今回,Cas12aモジュールに,ハンドインハンドDNAタイリング [*]をベースとする鎖置換増幅 (SDA)技術による標的DNA増幅法と,蛍光分光法による読み出しを組み合わせて,B細胞のマーカであるPax-5a遺伝子を標的とする超高感度な白血病診断システムを構築した.
  • バッファー中のPaz-5aの検出実験において,このシステムは,標的遺伝子濃度が1 fMから50 nMの範囲にあるときに,蛍光強度が標的遺伝子濃度の対数と優れた線形関係を示し,検出限界は1 fMに達した.
  • ヒト血清にPax-5aをスパイクしたサンプルにおいても,100 fMから 50 nMの範囲で良好な検出性能を示した.
[*] 論文中のScheme 1と「3.1 検出原理」の項で詳しく解説されているが,2つの異なるパリンドローム配列を含むヘアピンプローブ(HP)を巧妙に設計することで実現されている:HPの5'末端のパリンドローム配列が相互作用すると,HP二重構造が形成され,3'末端のパリンドローム配列がロックされた状態が維持される (DNAタイルが形成される);標的DNAがHP二重構造のループとハイブリダイズすると,HP二重構造が開き,3'末端のパリンドロームが解放され,SDAの反応へと進む.

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