crisp_bio

科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

2022-06-04 bioRxiv 投稿がMolecular Cell 誌から査読付き論文として刊行されたことから,その書誌情報を追記し,さらに,日米の研究グループによるCas12c2の構造解析と小型化の論文を紹介したcrisp_bio記事へのリンクを追加.
2021-12-12 初稿
[注] Cas12c (C2c3)
[出典] "A naturally DNase-free CRISPR-Cas12c enzyme silences gene expression" Huang CJ, Adler BA, Doudna JA. bioRxiv 2021-12-06. [プレプリント] https://doi.org/10.1101/2021.12.06.471469 
Cas12c-1 ヒト細胞,植物,動物のゲノム編集に広く用いられているCas9やCas12などのCRISPR-Cas酵素は,RNAにガイドされて外来のDNA配列を切断することで,免疫応答を微生物に提供している.
 Jennifer A. Doudnaの研究チームは今回,CRISPR-Cas12cはDNase活性を帯びていないが [Figure 1引用右図参照],外来DNAを切断せずに結合することで,転写を抑制しファージ感染からバクテリアを保護することを明らかにした [Mol Cell 論文グラフィカルアブストラクト参照].
 生化学実験からCas12cは,前駆体転写物 (pre-crRNA)から成熟したCRISPR RNA (crRNA)を生成する部位特異的なリボヌクレアーゼであることが明らかになった.さらに,Cas12cによるDNAターゲティングには,crRNAの成熟が不可欠であることも明らかになった.
 しかし驚くべきことに,これらのcrRNAは,DNA切断を誘導することなく,Cas12c-6Cas12cの二本鎖DNAへの結合を誘導し,このCas12cのRNAにガイドされるDNA結合活性により,細胞内の蛍光レポータータンパク質の転写を抑制した.
λファージの必須遺伝子 (cro )を標的とするファージプラークアッセイでは,Cas12cによるプラーク減少の程度が,野生型Cas12aに僅かに劣り, dCas12aとほぼ同等であった [Figure 6引用左図参照].


 
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