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[出典] "Spatial discordances between mRNAs and proteins in the intestinal epithelium" Harnik Y, Buchauer L [..] Itzkovitz S. Nat Metab 2021-12-20. https://doi.org/10.1038/s42255-021-00504-6
 Weizmann Institute of Scienceに ETH Zürichが加わった研究グループが今回,トランスクリプトームをプロテオームのプロキシーとして使うことに問題があることを,改めて実証した.
 小腸では,腸細胞が絨毛に沿って移動しながら4日間活動する.これまでに,トランスクリプトーム解析により,空間的なゾーンによって腸細胞の遺伝子発現が変動することが示されていたが,この変動がタンパク質レベルにどのように反映されているかは不明であった.
 研究グループは今回,絨毛軸に沿った腸細胞のmRNAとタンパク質のレベルがゾーン化されているが,しばしば両者の空間的プロファイルが一致しないことを発見した.また,腸細胞の表面マーカーを用いた空間ソートと空間プロファイルの組み合わせをベースに,タンパク質の翻訳・分解速度をベイス推定し,多くの遺伝子が絨毛の先端に向かってゾーン化したタンパク質を示す一方で,mRNAは絨毛の底に向かってゾーン化することを見出した.最後に,空間に依存しないタンパク質合成の遅れによって,mRNAレベルとタンパク質レベルの空間的プロファイルの不一致の多くを説明できることを示した.
 本研究は,腸管上皮の微小環境におけるプロテオームの空間依存性を明らかにし,定常状態以外で活動する組織の細胞状態を推測するためにタンパク質を直接測定することの重要性を浮き彫りにした.

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