crisp_bio

論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

[注] N501Y変異:SARS-CoV-2の変異株,アルファ,ベータ,ガンマ,およびミュウに共通の変異
[出典] "Chimeric crRNA improves CRISPR–Cas12a specificity in the N501Y mutation detection of Alpha, Beta, Gamma, and Mu variants of SARS-CoV-2" Yang J [..] Ip M. PLoS One. 2021-12-23. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0261778
 CRISPR/CasシステムをベースとするSARS-CoV-2検出プラットフォームが数多く開発されてきたが,祖先株と一連の変異株の間の1塩基または数塩基の違いを高感度で検出可能なプラットフォームは稀である.香港中文大学の研究グループは今回,24-ntのcrRNAの3’末端側8-ntをDNAに置き換えたキメラ型crRNA 2021-12-31 9.19.17を利用することで,検出感度を損なうことなく,N501Y変異を帯びた変異株への特異性を向上させることに成功した.20-nt crRNAと24-nt crRNAで見られた偽陽性が,24-ntキメラ型crRNAでは全く見られなかった [Fig.1 引用 A/B参照].
 この手法は,今回対象とした変異株4種類それぞれに特徴的な変異検出に調整することで,4種類の間の識別が可能になり,また,他の変異株との識別も同様に可能である.
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