[出典] "A new mouse model of Ehlers-Danlos syndrome generated using CRISPR/Cas9-mediated genomic editing" Nitahara-Kasahara Y [..] Okada T. Dis Model Mech. 2021-12-23.  https://doi.org/10.1242/dmm.048963
 東大医科研,日本医科大,名城大,国立精神・神経医療研究セ,農工大,東京歯科大,および信州大の研究グループからの報告: 
  • 筋拘縮型エーラス・ダンロス症候群(Musculocontractural Ehlers-Danlos syndrome, mcEDS)は,デルマタン4-O-硫酸基転移酵素-1 (dermatan 4-O-sulfotransferase 1, D4ST1)をコードするCHST14 の2塩基変異による全身のデルマタン硫酸の枯渇によって引き起こされる (mcEDS-CHST14 ).
  • 研究グループは,これまでのChst14 ノックアウトマウスの周産期致死を克服するために,CRISPR/Cas9ゲノ編集によりChst14 のホモ接合性変異 (1 bp欠損または6 bp挿入/10bp 欠損)を有するmcEDS-CHST14 のモデルマウスを創製し,D4ST1およびDS鎖の消失に伴う病態メカニズムを網羅的に検討可能なことを示した.
  • 今後,mcEDSモデルの継続的な維持を目指して,C57BL/6J系統をBALB/c系統に戻し,Chst14 KOマウスの出生率向上を活かして,遺伝子背景がChst14 -/-マウスの出生率に影響することが示唆されるなどの研究を予定している.さらに,Cre-loxPシステムを用いたコンディショナルKOを予定している.