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論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

[出典] "Spinal cord injury target-immunotherapy with TNF-α autoregulated and feedback-controlled human umbilical cord mesenchymal stem cell derived exosomes remodelled by CRISPR/Cas9 plasmid" Wang B, Chang M, Zhang R, Wo J [..] Tang S, Yang S, Sun G.  Mater Sci Eng C. 2021-12-24. https://doi.org/10.1016/j.msec.2021.112624
 ヒト臍帯間葉系幹細胞 (human umbilical cord mesenchymal stem cell, hucMSC) 由来エクソソーム (EXO)は,抗炎症,抗アポトーシス,血管新生促進,および軸索再生などの特性を持つことから,脊髄損傷(spinal cord injury, SCI)の新たな治療法として検討されている.曁南大学を主とする研究グループは今回,外傷後のマウスやヒトの脳に存在し,SCI後の損傷部位に特異的に結合するCAQKペプチドで修飾したhucMSCエクソソームをベースに,炎症抑制を担うCRISPR/Cas9プラスミドを送達するナノキャリア (EXO-C@P)を開発した.
  • EXO-C@Pは,損傷部位に効果的に集積し,マクロファージを飽和させて、SCIモデルマウスにおける炎症性サイトカインの発現を有意に減少させた.
  • さらに,EXO-C@P投与は、行動評価におけるマウスのパフォーマンスを改善し,脊髄損傷手術後の血清中および外傷部位における可溶性腫瘍壊死因子受容体-1 (sTNFR1)を上昇させる一方で,iNOS陽性細胞の割合および炎症性因子の濃度を低下させた.
 結論として,EXO-C@PはCIの治療において,複数の局所投与およびドラッグデリバリーアプローチに代わる効果的な方法を提供する.
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