[注] Acaタンパク質 = anti-CRISPR-associated proteins
[出典] "Molecular basis of transcriptional repression of anti-CRISPR by anti-CRISPR-associated 2" Lee SY, Kim GE, Park HH. Acta Crystal. 2021-12-23. https://doi.org/10.1107/S2059798321011670
 ファージやウイルスは,微生物のCRISPR-Casシステムに対抗するAcrタンパク質を帯びている.Acrをコードする遺伝子の発現は,上流のプロモーターに結合するAcaタンパク質によって,発現が抑制されている.Acaが転写抑制因子として機能することは証明されているが,その作用機序は明らかにされていなかった.
 Chung-Ang Universityの研究チームは今回,Oceanimonas smirnovii 由来のAca2の結晶構造を1.92Åの高分解能で決定し [*],Aca2によるAcr遺伝子の転写制御の分子基盤を明らかにした.
 Aca2は溶液中で二量体を形成し,この二量体が特定のプロモーターに結合することが重要であることが明らかになった.また,変異原性実験からも,二量体Aca2のプロモーター結合戦略が明らかになった.

[*] PDB ID 7EZY (2022-01-03時点で公開待ちのステータス2022-01-12公開) : anti-CRISPR-associated Aca2 (1.92 Å)