crisp_bio

科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

[注]ScienceCrisp_Bio ツイート 2017/07/12~13に該当

1.動画を大腸菌叢に記録し再生する Nature 0712
 G. M. Churchらのグループは、CRISPR CasシステムにおいてCas1-Cas2インテグラーゼが外来ウイルスをCRISPRアレイに記憶する機構から発想して、多様なオリゴヌクレオチドを利用した微生物記憶システムを開発していたが、今回、それを大きくスケールアップし、マイクロバイオームによる動画の記憶・再生を実現した。
[関連NATURE|NEWS] "Lights, camera, CRISPR: Biologists use gene editing to store movies in DNA" Ledford H. Nature 12 July 2017.
[関連YouTube] 
CRISPR-Cas: Molecular Recording https://www.youtube.com/watch?v=o8ONjPHLr6s
CRISPR stores a Movie into the DNA of Bacteria |QPT (1m39s)  https://www.youtube.com/watch?v=yWqlwYjpc1A

2.Cas9を巡る広すぎる特許クレームは革新を阻害する Nat Biotechnol 0712
  • SpCas9のオーソログ間の配列アイデンティーは必ずしも高くなく(27〜96%)ゲノム編集への可用性が示されていないオーソログが多々存在するが、Cas9ヌクレアーゼ全体を対象とするクレームが出されている。
  • Broad InstituteとUC Berkeleyの特許係争に対するUSTPO PTABの裁定の結果、真核生物システムでCas9を利用しようとする場合は、SpCas9であるか否かに関わらず、Broad Instituteからライセンスを獲得するか特許侵害のリスクをとることになる。
  • Broad Instituteは、“a nucleotide sequence encoding a Type-II Cas9 protein,”、UC Berkeleyの請求と巡回裁判所へのアピールでは“a Cas9 protein”と記されている。
3.抗CRISPR蛋白質AcrIIA4によるCRISPR-Cas9阻害の機構と利用 (#anti-CRISPR)
  • クライオ電顕によりCas9-sgRNA-AcrIIA4複合体構造を分解能3.9 Åで再構成し、通常はPAM配列が結合するCas9の領域をAcrIIA4が占有することを見出した。
  • AcrIIA4は、Cas9–sgRNA複合体に結合するがCas9単体には結合しない。
  • Cas9-sgRNA送達後に、AcrIIA4蛋白質または発現プラスミドをタイミングよく送達することで、Cas9活性を調節可能であり、それによるオフターゲット作用抑制の可能性も。
4.dCas9-MQ1によるin vivo標的DNAメチル化 Nat Commun 0711
  • dCas9にMollicutes spiroplasma由来DNAメチルとランスフェラーゼMQ1の変異体(Q147L)を融合することで、標的遺伝子座特異的シトシン修飾を24時間以内で実現
  • K562細胞においてCTCF結合サイトを標的とすることで、CTCF結合調節
  • マウス受精卵へのマイクロインジェクションにより、マウス胚での標的特異的CpGメチル化実現
5.ヤギ受精卵にCRISPR/Cas9とssODNドナーを送達し、標的蛋白質への点変異導入を実現
6.HIVの遺伝子治療
  • 複数の抗レトロウイルス薬を併用する療法(combination antiretroviral therapy:cART)は、活性なHIVの複製を阻害するが、宿主ゲノム内に潜伏したプロウイルスを排除しHIVを根絶することはできない。
  • CRISPR Cas9技術を含む遺伝子治療の現状と展望をレビュー
  • CRISPR/Cas9によるプロウイルス除去論文例:蝦名博貴, 三沢尚子, 金村 優香 & 小柳 義夫. Harnessing the CRISPR/Cas9 system to disrupt latent HIV-1 provirus. Sci Rep. 2013;3:2510.
7.生分解性アミノエステル・ナノ担体によるCas9 mRNAの効率的in vivo/in vitro送達
8.分裂・非分裂細胞へのHIV-1感染にDNAポリメラーゼβの活性は必要か
  • レトロウイルスは宿主の酵素群を利用して宿主ゲノムに潜伏する。今回、THP-1ヒト単球細胞において、Pol βのポリメラーゼドメインを標的とするCRISPR/Cas9ノックアウト実験により、Pol βは、宿主ゲノム侵入に必須ではないことが明らかになった。
9.[プロトコル]ゼブラフィッシュFスクリーンを実現する機能喪失変異体作出法と評価法
10.[プロトコル]機能喪失実験を目的とするES細胞における必須遺伝子産物の効率的低減
11.[プロトコル]マウスES細胞からの分化発生時の遺伝子機能解析ツール
  • Small Regulatory RNA-Mediated Technologies;CRISPR/Cas9;誘導型RNAi
12.[プロトコル]マウス精原幹細胞(SSCs)におけるCRISPR-Cas9遺伝子編集
  • SSCsの誘導、CRISPR/Cas9のヌクレオフェクション、遺伝子改変SSCsのレシピエント睾丸への移植、円形精子細胞からのマウス作製
13.Nf1遺伝子のCRISPR/Cas9編集により作出した神経線維腫症1型(NF1)・疼痛モデルラットの解析から、治療標的としてCRMP2を同定
      




 
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット