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[注] 合成致死 (Synthetic Lethal): 2つの遺伝子の機能的欠損が重なると細胞死に至り,どちらか一方の遺伝子の機能的欠損では細胞死に至らない遺伝子間相互作用
[出典] "VRK1 is a Paralog Synthetic Lethal Target in VRK2-methylated Glioblastoma" Shields JA [..] Emmanuel N. bioRxiv 2022-01-01 [プレプリント] https://doi.org/10.1101/2021.12.30.474571
 合成致死はがん療法に利用可能な遺伝子間相互作用であり,パラログ遺伝子のペアは合成致死相互作用の一例である.Tango TherapeticsにCleveland Clinicが加わった研究グループは今回,808種類のがん細胞株を対象とするCRISPR-Cas9 in vitro 機能喪失スクリーニングにて同定されたがんの必須遺伝子のデータを集積しているAchilles []などのデータベースの利用と,cDNAレスキュー実験から,VRK2がメチル化されたグリオブラストーマ (glioblastoma, GBM)において,VRK1を標的とするパラログをベースとする合成致死を実証した.
 [詳細]
  • VRK2は,標的治療薬がほとんどない侵襲性のがんであるGBMの約3分の2で,プロモーターのメチル化を介してサイレンシングされている.
  • VRK2欠損細胞やVRK2メチル化細胞でVRK1を遺伝子ノックダウンすると,下流の基質,核膜形成の制御因子Barrier to Autointegration Factor (BAF),の活性が低下する.
  • BAFの活性の低下は,核分葉化,細胞膜でのブレブ形成 (水泡状突起形成),および微小核形成小核化を引き起こし,その結果.G2/M期での停止やDNAの損傷に至る.
  • VRK1-VRK2合成致死相互作用は,VRK1キナーゼ活性に依存し,VRK2の異所性発現によりレスキューされる.
  • VRK1のノックダウンにより,VRK2がメチル化されたGBM異種移植片において,強固な腫瘍増殖抑制がもたらされる.
  • これらの結果は,VRK1キナーゼ活性の阻害がVRK2-メチル化GBMにおける有効な治療戦略となる可能性を示している.
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