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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

[注] ATRA (All-Trans-Retinoic Acid)
[出典] "CRISPR Interference Reveals That All-Trans-Retinoic Acid Promotes Macrophage Control of Mycobacterium tuberculosis by Limiting Bacterial Access to Cholesterol and Propionyl Coenzyme A" Babunovic GH [..] Fortune SM. mBio. 2022-01-18. https://doi.org/10.1128/mbio.03683-21
 マクロファージは病原体の除去に特化しているが,結核菌 (Mycobacterium tuberculosis, Mtb)の主要な複製ニッチとして機能する.この分野のパラドックスとして,ヒトのマクロファージはin vitro ではMtbを殺す能力が限られているが,非ヒト霊長類のin vivo 感染時,およびヒト体内でもかなりの病原菌除去能力を示すことがある.多くのグループが,少なくともマクロファージのサブセットを活性化してin vivo でMtbを殺傷する因子の存在と,この経路を治療的に利用して病原菌除去を促進する可能性を提唱している.実際、Mtb感染の抑制を高めるいくつかの活性化剤が施行されてきたが,どの活性化物質がどのような条件下で最も強力にMtb制御を誘導するかが不明であった,
 Harvard T. H. Chan School of Public Health,The Rockefeller University,MITなどの研究グループは今回,ヒトマクロファージを活性化してMtbを死滅させる最も効果的な方法を特定し,次にMtb死滅の機構を特定することを目指した.
  • 現在,結核の臨床試験中である化合物を含む26種類の化合物で処理した後,ヒトマクロファージによる結核菌制限のレベルを比較検討し,ビタミンAの活性代謝物であるATRAが,最も効果的にマクロファージを活性化し、Mtbの感染を抑制できることを見出した.
  • ATRA投与によるMtb除去の機構を明らかにするために,CRISPRiによる遺伝子サイレンシング・スクリーニングなど,宿主および病原体を対象とするゲノム編集ツールを併用した.その結果,ATRA処理によってMtbのコレステロールへのアクセスが制限され,その結果、プロピオニル補酵素A(プロピオニルCoA)が制限され,この代謝産物が供給するMtbの無血清および糖新生経路にストレスがかかることが明らかになった.
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