[出典] "Collateral cleavage of 28s rRNA by RfxCas13d causes death of mice" Li Y [..] Liu Q, You F. bioRxiv. 2022-01-18 [プレプリント] https://doi.org/10.1101/2022.01.17.476700
 CRISPR-Cas13システムは,RNAを標的とするRNA誘導型システムであり,ゲノムを改変することのない療法が期待されるトランスクリプトームエンジニアリングに広く利用されている.しかし,Cas13が哺乳類細胞で副次的な活性を示すかどうかについてはまだ議論がある.
 Peking University Health Science Centerと精華大学を主とする研究グループは今回,RfxCas13d を用いて成体脳神経細胞にて標的遺伝子発現をノックダウンすると,マウスが死亡することを見出した.しかし,この原因は標的遺伝子の機能喪失や RfxCas13dのオフターゲット活性ではなく,RfxCas13dが哺乳類細胞において標的RNAの存在量と正に相関するコラテラルな活性を示すことが明らかになった.
 RfxCas13dのコラテラル活性が,28s rRNAを2つの断片に切断し,翻訳の減衰とZAK -JNK/p38-最初期遺伝子 (immdiate early gene: IEG)経路の活性化につながる可能性があることを明らかにした.
 これらの結果は,RfxCas13dのコラテラル活性機構に新たな洞察をもたらすとともに,CRISPR-Cas13システムの臨床治療に適用する前に、バイオセーフティについてさらなる評価が必要であることを警告するものである.

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