[出典] "ASGR1 is a candidate receptor for SARS-CoV-2 that promotes infection of liver cells" Yang X [..] Zhou H. bioRxiv. 2022-01-18 [プレプリント]. https://doi.org/10.1101/2022.01.15.476426
 ACE2が,SARS-CoV-2の宿主細胞への侵入に標的とする主要な受容体であることは良く知られているが,ACE2の発現が,ウイルス粒子が検出されたさまざまな臓器 (特に,心臓と肝臓)で極めて低いレベルであることが,明らかにされてきた.したがって,これらの臓器には,まだ発見されていないSARS-CoV-2受容体が発現している可能性がある.
  • 復旦大学を主とする研究グループは今回,ゲノムワイドなCRISPR-Cas9活性化 (CRISPRa)スクリーニングにより,ASGR1が293T細胞のSARS-CoV-2感染を促進することを発見した.
  • また,Huh-7およびHepG2細胞株では,ACE2とASGR1の同時ノックアウトにより,SARS-CoV-2シュードウイルスの感染が阻止されることを同定した.
  • さらに,ACE2をほとんど発現していないTHLE-2肝細胞不死化細胞や初代肝実質細胞にSARS-CoV-2が感染することを確認し,また,ASGR1抗体で処理すると感染率は著しく低下することも同定した.
  • 以上から,SARS-CoV-2は主にASGR1依存的な機序で肝細胞に感染することが示唆された.
  • 最後に,可溶性ASGR1が,ASGR1受容体に結合するSARS-CoV-2シュードウイルスの宿主肝細胞への感染を防ぐだけでなく,ACE2を発現している細胞にも保護作用を示すことを発見し,可溶性ASGR1タンパク質の投与が新しい治療法となる可能性があることも示唆した.