[出典] "CRISPR-dCas9 based DNA detection scheme for diagnostics in resource-limited settings" Bengtson M [..] Dekker C. Nanoscale. 2022-01-19. https://doi.org/10.1039/D1NR06557B
Delft University of Technologyの研究グループは今回,dCas9をベースとして,ヒト試料中の病原体由来のDNAを、肉眼で見える比色表示で検出する等温DNA検出法を開発した [Figure 1引用右図亜参照].- このDNA検出法は,血液と尿の2種類のDNA抽出法を組み合わせ,抽出されたDNAをRPAにより等温増幅するステップから始まる.
- RPA反応にビオチン化プライマーを利用して,増幅されたDNAがチューブ内のストレプトアビジンビーズに結合しやすくなるように設定した.
- 固定化されたDNAは,環状一本鎖DNA (ssDNA)にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドで機能化したdCas9タンパク質によって認識・結合される.
- 続いて,dCas9-オリゴヌクレオチド複合体がサンプル中の標的DNAを特異的に認識すると,環状ssDNAが,ローリンングサークル増幅 (RCA)反応を駆動する.
- 環状のRCAテンプレートは酵素活性を帯びたG-四重鎖 (G4)をコードしており,このG4が最終的な比色測定値を生み出す.
この等温DNA検出法は,20-45℃の温度で実行可能であり,応用例として,内臓リーシュマニア症の原因となる寄生虫のDNAを23℃で等温的に検出し,少なくとも1ゼプトモルの感度を得た.また,原理検証実験において,血液中に混入したDNAを肉眼で見える比色測定が可能なことを確認した.
ガイドRNAによる検出対象の汎用性を考えると,このDNA検出スキームは,最小限の資源であらゆるDNAの検出に適応でき,資源が限られた環境でのポイントオブケア診断などの応用を容易にすることができると想定される.
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