[出典] "Systematic decomposition of sequence determinants governing CRISPR/Cas9 specificity" Fu R, He W [..] Xu H. Nat Commun. 2022-01-25. https://doi.org/10.1038/s41467-022-28028-x
 CRISPR/Cas9によるゲノム編集の特異性は,ガイドRNA (gRNA)と標的DNAの配列によってほぼ決定されるが,オフターゲット効果に関する配列依存的なルールは十分に理解されていない.
Dual Target 1 University of Texas MD Anderson Cancer CenterにRice UniversityとDelft University of Technologyが加わった研究グループは今回,CRISPR/Cas9の特異性を決定する配列の要因を系統的に探索するために,13,314個の合成標的配列に対する1,902個のgRNAのオフターゲットとオンターゲットの配列間の相対切断率(オフオン比)を測定するデュアル・ターゲット・システムを構築し [Fig.1 引用右図参照],オフターゲットに関わる一連の配列ルールを明らかにした.
Dual Target 2
  1. ミスマッチのコンテクストに依存しないgRNA内在のミスマッチ寛容性 (guide-intrinsic mismatch tolerance: GMT) [Fig. 2引用右図 a/b参照]
  2. 多重なミスマッチの組み合わせ効果.この「エピスタシス的効果」は,Rループ形成の自由エネルギーのランドスケープに関連し,また,最近の多状態の動力学的モデルによって説明可能である.
 Dual Target 4研究グループは,個々のミスマッチの効果,エピスタシス的効果,およびgRNA固有のミスマッチ寛容性を組み合わせて [Fig. 4引用左図 a 参照],Cas9ゲノム編集が誘導するオフターゲット効果を予測する手法MOFF (a model-based predictor of Cas9-mediated off-target effects)を開発した.さらに,「エピスタシス様」コンビナトリアル効果をベースとして,アレル特異的ゲノム編集の最適化を実現した.