2022-04-27 Maguinらの論文が,Trends in Microbiology誌でハイライトされた:
[出典] SPOTLIGHT "CRISPR-Cas and restriction–modification team up to achieve long-term immunity" Cury J, Bernheim A. Trends Microbiol. 2022-04-22. https://doi.org/10.1016/j.tim.2022.04.001
[著者所属] Université de Paris
 バクテリアは,ファージに対する様々な防御システムを保有し,その数は増え続けていることが示されている.Maguinらは,その中で,最も高頻度に見られる2種類の防御システムがどのように相互作用するかを明らかにした.すなわち,CRISPR-Casシステムは,RMシステムの副産物を再利用して,バクテリアの防御力を高める.
2022-02-14 初稿
[出典] "Cleavage of viral DNA by restriction endonucleases stimulates the type II CRISPR-Cas immune response" Maguin P, Varble A, Modell JW, Marraffini LA. Mol Cell. 2022-02-07. https://doi.org/10.1016/j.molcel.2022.01.012; Graphical abstract https://els-jbs-prod-cdn.jbs.elsevierhealth.com/cms/attachment/99de482c-081a-4722-883d-352971f06db9/fx1_lrg.jpg
 原核生物は進化の過程でファージに対して制限修飾系 (Restriction-Modification system; RM system)からCRISPR-Casシステムまで多様な防御システムを獲得してきたが,その間の相互作用については殆ど知られていなかった.Rockefeller Universityの研究グループは今回標題の連携を発見した [Graphical abstract参照].
  • Streptococcus pyogenes タイプII-A CRISPR-Cas遺伝子座の宿主としてStaphylococcus aureus を利用し,S. aureus 内在と異種のBacillus gloniigii 由来のRM系,SauI (type I)とBglII (type II)がいずれも,未修飾のS. aureus ファージのΦNM4γ4およびΦ12ρ1に対して短期間の防御を提供することを同定した.
  • RM系による防御は一時的でファージゲノムのメチル化により迅速に回避されるが,タイプII-A CRISPR-A型CRISPR-Casシステムが,制限酵素によるファージゲノム上の切断部位から新しいスペーサーを獲得することにより,強固な免疫応答を発揮することを同定した.
  • また,複製不能な変異型ファージに感染した場合は,スペーサー獲得が促進されないことも同定した.
  • このCRISPR-Casシステムの免疫応答は,制限酵素によるファージゲノム切断に伴うDNA自由端の生成,DNA自由端からのAddAB (RecBCD)を介した二重鎖DNA端の生成,二重鎖DNA端からのCasインテグラーゼによるスペーサー獲得の機構に依存する.