crisp_bio

論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

[出典] "Considerations and practical implications of performing a phenotypic CRISPR/Cas survival screen" Ashoti A, Simone F [..] Eagan K, Gijsen N. PLoS One. 2022-02-17. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0263262
 Hubrecht Institute (Utrecht),Broad Institute (Maryland)などの研究グループは今回,ゲノムワイドCRISPR/Cas9ノックアウトスクリーニングを介して,顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー (FSHD)の原因とされるDUX4   の細胞毒性を調節する因子を探ったが,DUX4以外の主要なエフェクターは見つからず,FSHDの治療努力はDUX4自体を直接調節することに向けられるべきとする結論に至った.
 研究グループはこの結論と共に,CRISPR/Cas9 KOスクリーングを行う際に留意すべき点を挙げている.
  • Cas9が大規模な染色体切断を誘発する (crisp_bio 2019-03-10)ことが,今回の高感度なスクリーニングシステムにおいて同定されたことから,その影響を排除する必要がある.
  • 標的とする因子以外の因子の転写と翻訳に影響を与える内因性遺伝子に留意し,その影響を排除する必要がある.
  • 本研究で同定したメディエーター複合体のサブユニットのように誘導系に影響が及ぶ例がある。このような可能性を排除できるような方法で、潜在的なヒット遺伝子を個別に検証する必要がある.
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