[出典] "Intercellular CRISPR Screens Enhance the Discovery of Cancer Immunotherapy Targets" Yim S, Hwang W, Han N, Lee D. bioRxiv. 2022-03-04 [プレプリント] https://doi.org/10.1101/2022.03.03.482805
 がん免疫療法において免疫チェックポイント阻害剤が有効ながん患者が限られていることから,がん免疫療法の新規標的が求められている.これまでのゲノムワイドCRISPRスクリーンが,がん細胞または免疫細胞を対象としていたのに対して,KAISTとUniversity of Cambridgeの研究グループは今回,相互作用する細胞の種類全てを対象とするゲノムワイド細胞間CRISPRスクリーニングを提案した.
 細胞間CRISPRスクリーニングでは,がん細胞と免疫細胞とそれぞれ1つについて,2つのゲノムワイドCRISPRスクリーニングを行い,がん細胞の殺傷に重要な細胞間相互作用を評価する.
 具体的には,トリプルネガティブ乳がん細胞 (TNBC)と細胞傷害性T細胞 (CTL)が相互作用している間に得られた一般に公開されている2つのゲノムワイドCRISPRスクリーニングデータセットをベースとして解析を進めた.TNBCとCTLを対象とする2つのCRISPRスクリーン・データセットにリガンドと受容体の発現レベルも加えて,TNBCとCTLの1391種類のリガンドと受容体の間の4825件の相互作用について,細胞間相互作用がCTL機能に及ぼす影響を評価した.
 その結果,承認薬の標的を確認することができたが,そのうちのいくつかがTNBCまたはCTLのどちらか一方を対象としたスクリーニング・データセットからは発見できないことが,明らかになった.
さらに,免疫療法の標的の大半を占めるサイトカインと共刺激分子 (co-stimulatory molecule)のデータを取り込むことで,関連遺伝子発見の感度が向上することを見出した.