[注] 上皮間葉移行 (Epithelial–mesenchymal transition: EMT); EMT可塑性 (EMT plasticity: EMP)
[出典] "Genome-wide CRISPR screen identifies PRC2 and KMT2D-COMPASS as regulators of distinct EMT trajectories that contribute differentially to metastasis" Zhang Y [..] Weinberg RA. Nat Cell Biol 2022-04-11. https://doi.org/10.1038/s41556-022-00877-0
 Whitehead Instituteを主とする研究グループが, PRC2とKMT2D-COMPASSの欠損がEMPを可能にし,それぞれが異なるEMTサブプログラムを選択させて,異なる間葉系細胞の状態を生成することを,見出した [Fig. 6-f 参照].
  • PRC2またはKMT2D-COMPASSのいずれかが欠損すると,最初は安定していた上皮細胞が,主要なEMT-TF遺伝子のプロモーターからPRC2の結合が外れることによって,TGF-βなどのEMT誘導シグナルに感作される.
  • PRC2の機能不全は,乳がん患者の高い転移能と生存率の低下に関連する準間葉系状態をもたらすことが明らかになり,PRC2阻害剤を特定の患者集団で臨床評価する際に,この点に留意する必要がでてきた.
  • 一方で,KMT2D-COMPASSの機能不全は,このEMTサブプログラムを誘導しなかった.