2022-09-26 Cancer Cell誌から査読付き論文として刊行された:Cancer Cell 2022-06-23. https://doi.org/10.1016/j.ccell.2022.06.001
2022-04-28 初稿
[出典] "Genome-wide CRISPR screens of T cell exhaustion identify chromatin remodeling factors that limit T cell persistence" Belk J [..] Satpathy A. bioRxiv 2022-04-21 [プレプリント]. https://doi.org/10.1101/2022.04.20.488974
2022-04-28 初稿
[出典] "Genome-wide CRISPR screens of T cell exhaustion identify chromatin remodeling factors that limit T cell persistence" Belk J [..] Satpathy A. bioRxiv 2022-04-21 [プレプリント]. https://doi.org/10.1101/2022.04.20.488974
[著者所属機関] Stanford U, Stanford U School of Medicine, Gladstone-UCSF Institute of Genomic Immunology, Memorial Sloan Kettering Cancer Center, UCSFなど
T細胞の疲弊によって抗腫瘍性免疫が減弱するが,この分子機構を制御する因子はまだ十分に解明されていない.この制御因子の同定を目的として,著者らは,抗CD3抗体を介して慢性的TCRシグナル伝達を誘導することで,in vivo で観察されるT細胞疲弊のエピゲノム的特徴を再現するCD8+T細胞疲弊in vitro モデルを樹立した.
- このin vitro モデルを対象にゲノムワイドCRISPR/Cas9スクリーニングを行い,T細胞疲弊への関与がこれまで知られていなかった数十の新規因子を含む遺伝的制御因子の系統的かつ包括的なアトラスを得た.その中には,INO80やSWI/SNFといったクロマチンリモデリング複合体のサブユニットが豊富に含まれていた.
- 続いて,in vivo CRISPR スクリーニングとT細胞移植実験により,INO80の枯渇とカノニカルなBRG1/BRM-associated factor (cBAF; SWI/SNF family) 複合体メンバー, 特に Arid1a, の枯渇がT 細胞の持続性を高めることが明らかになった.
- In vivo Perturb-seq解析により,これらの因子の枯渇が,疲弊したT細胞においてエフェクター転写プログラムのアップレギュレーションをもたらし,また,それぞれの複合体が異なる標的遺伝子セットを制御することが明らかになった.
- すなわち,INO80因子の枯渇は代謝系遺伝子の発現をアップレギュレーションし,cBAF因子の枯渇はエフェクター分子の遺伝子発現をアップレギュレーションし,T細胞疲弊関連遺伝子をダウンレギュレーションする.
- Arid1aを枯渇させたT細胞のATAC-seq プロファイリングにより,Arid1a が慢性抗原刺激時に起こる疲弊に関連したクロマチンリモデリングの獲得に必要であることも明らかになった.
本研究の成果は,クロマチンリモデリング因子を介してT細胞の疲弊のエピジェネティックな状態を調節することが、がん免疫療法におけるT細胞の応答を改善する有効な道である可能性を示唆している.
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