[出典] "CAR T cell killing requires the IFNγR pathway in solid but not liquid tumours" Larson RC [..] Maus MV. Nature 2022-04-21. https://doi.org/10.1038/s41586-022-04585-5
[著者所属機関] Massachusetts General Hospital, Harvard Medical School, Harvard University, MIT, Broad Institute of MIT and Harvard.
CAR T細胞療法は血液悪性腫瘍の治療に大きな変革をもたらしたが,固形腫瘍に対する有効性は限定的であった.著者らは今回,固形腫瘍にCAR T細胞に対する抵抗性をもたらすパスウエイを同定することを目的として,CAR T細胞が限定的な有効性を示す疾患であるグリオブラストーマにおいて,ゲノムワイドなCRISPR KOスクリーンを行った.
その結果,インターフェロンγ受容体 (IFNγR)シグナル伝達経路の遺伝子 (IFNγR1 , JAK1 またはJAK2 )のKO (IFNγR経路の消失)により,グリオブラストーマやその他の固形腫瘍がin vitro およびin vivo でCAR T細胞に対してより抵抗性を示すことを見出した.一方で,この経路の消失は白血病やリンパ腫の細胞株にCAR T細胞に対する耐性をもたらすことは無かった.
転写プロファイリングから,IFNγR1 KOグリオブラストーマは,CAR T細胞曝露後の細胞接着経路のアップレギュレーションが低く,また,グリオブラストーマにおけるIFNγR1 KOが,CAR T細胞が結合する期間と結合能とを全体的に低下させることが明らかになった.
こうして,CAR T細胞がグリオブラストーマに対する細胞障害性を発揮するには,十分な接着を誘導するIFNγRシグナル伝達が必要であることが明らかになり,また,CAR T細胞の腫瘍細胞への結合を強化することで,固形腫瘍において改善された反応が得られる可能性が示唆された.
こうして,CAR T細胞がグリオブラストーマに対する細胞障害性を発揮するには,十分な接着を誘導するIFNγRシグナル伝達が必要であることが明らかになり,また,CAR T細胞の腫瘍細胞への結合を強化することで,固形腫瘍において改善された反応が得られる可能性が示唆された.
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