[出典] "Phosphonoacetate Modifications Enhance the Stability and Editing Yields of Guide RNAs for Cas9 Editors" Ryan DE [..] Bruhn L. Biochemistry 2022-04-18. https://doi.org/10.1021/acs.biochem.1c00768
[著者所属] Agilent Research Laboratories (Santa Clara, Boulder)
 ガイドRNA (gRNA)の様々な化学修飾の効果を評価した結果,2′-O-メチル-3′-ホスホノアセテート (MP) 修飾が,sgRNAの3´末端において2′-O-メチル-3´-ホスホロチオエート (MS) 修飾よりも高い編集収率を実現し,sgRNA MPいくつかの例ではヒト細胞において一桁高い編集収率をもたらすことが明らかになった [Graphial abstract引用右図参照].
 特に,Cas mRNAと共導入するガイドRNAは,Casタンパク質が発現するまで細胞内に留まる必要があるため、3'末端をMP修飾することが有用である.この点を,シチジン塩基編集用のBE4 mRNAと共導入したsgRNAの3'末端MP修飾,および,PE2 mRNAと共導入したプライム編集ガイドRNA (pegRNA)の3´末端のMP修飾,にて実証した.
 血清存在下において、MPで3′末端を修飾したsgRNAは、Cas9 mRNAと共導入したMSで3′末端を修飾したsgRNAよりも編集効率が著しく向上し,Cas9-sgRNAをRNP複合体として導入した場合にの活性向上はより緩やかであった.
 今回の結果は,特にガイドRNAがエキソヌクレアーゼを介した分解を受けやすい状況においては,sgRNAの3´末端に対する性能向上のための修飾としてMPが考慮されるべきことを示唆する.