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論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

[出典] "Rational Engineering of CRISPR-Cas9 Nuclease to Attenuate Position-Dependent Off-Target Effects" Zuo Z [..] Liu J. CRISPR J. 2022-04-19. https://doi.org/10.1089/crispr.2021.0076
[著者所属] 上海工程技术大学, Medical College of Wisconsin, University of North Texas Health Science Center, University of Oklahoma
 著者らは,SpCas9の特異性がその様々なドメインによって相乗的に決定されることに注目し,単一のドメインに変異を誘導する戦略に変えて,構造情報に基づいて複数のドメインにまたがる複数のアミノ酸置換を合理的に導入することで,高忠実度の変異体を作出した.
  • 切断状態のSpCas9の構造に基づき、Cas9を構成する異なるドメインにわたる4つのアミノ酸残基の置換をテストし,有望な高特異性 (high-specificity)変異体hscCas9-v1.2 (HSC1.2)を作製した.
  • HSC1.2は,PAM近位とPAM遠位の双方の特定のミスマッチ位置に対して著しく高い感受性を示すことがin vitro での標的として一連のプラスミドを利用する生化学的アッセイで明らかになった.
  • この位置依存的な特異性をもたらす潜在的な分子機構を,分子動力学 (MD)シミュレーションによって探った.
  • In vitro 実験とMDに加えて,ヒトの細胞でHSC1.2による遺伝子編集を行い,TEG-seqとAmplicon-seqによる解析を加えた結果,HSC1.2が十分なオンターゲット編集活性を維持しつつ,オフターゲット編集活性を抑制する変異体であることが示された.
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