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論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

[出典] "Development of late-bolting plants by CRISPR/Cas9-mediated genome editing from mesophyll protoplasts of lettuce" Choi SH, Ahn WS, Jie EY, Cho HS, Kim SW. Plant Cell Rep 2022-05-16. https://doi.org/10.1007/s00299-022-02875-w [著者所属] KRIBB
 レタスの葉の収穫量を増加させる分子的なアプローチの1つは,開花の開始を遅らせることであり,開花の遅れによって,より広範囲な生育が可能になり,葉の枚数が増え,葉が大きくなる可能性もある.著者らは今回,植物の開花の開始を制御するいくつかの転写因子の1つをコードする遺伝子であるSOC1に1塩基の変異を誘発することでその発現を抑制し,ひいては,レタスにおいて最初の花芽形成までの時間を野生型から延ばすことに成功した.
 また,SOC1遺伝子編集植物では,LsLFY , LsFUL , LsAPL1 , およびLsAPL2 などの花成制御遺伝子の発現が野生型よりも低下していることも同定した.
 本研究で確立した遺伝子編集技術は,プロトプラストから直接RNPを導入することにより,レタスの多様な品質改良に直接応用できる可能性があり,さらに,プロトプラストからの RNP の直接導入は、他の作物の開発にも有用と考えられる.

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