[注] AS1411: G四重鎖オリゴヌクレオチド・アプタマー
[出典] "A novel dual-targeting delivery system for specific delivery of CRISPR/Cas9 using hyaluronic acid, chitosan and AS1411" Khademi Z [..] Abnous K, Taghdisif SM. Carbohydr Polym 2022-06-09. https://doi.org/10.1016/j.carbpol.2022.119691 [著者所属] Mashhad U Medical Sciences
 イランの研究グループが,オフターゲット効果を抑制しつつ,CRISPR/Cas9を標的の細胞核への特異的導入を実現する簡便な方法を設計した.ゲノム編集用因子のプラスミドとキトサン (CS)をコアとして形成したナノ粒子の表面に,細胞標的ポリマー(ヒアルロン酸)と細胞・核標的基 (AS1411アプタマー)を集積する方式で,FOXM1ノックアウト用多機能デリバリーベクター(Apt-HA-CS-CRISPR/Cas9)を構築した.
 フローサイトメトリー解析と蛍光イメージングの結果,Apt-HA-CS-CRISPR/Cas9は,標的細胞 (MCF-7, SK-MES-1, HeLa)に有意に内在化し,非標的細胞 (HEK293)には内在しないことが確認された.さらに,生体内での研究では,Apt-HA-CS-CRISPR/Cas9が腫瘍抑制効果を強く示し,CRISPR/Cas9を腫瘍内に効率的に送達し,他の臓器には検出されないことが確認された.
 この方法は,副作用の少ない生体内遺伝子編集治療法への道を開くものである.

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