(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/01/29)
- Ulf Landegren (Uppsala大学)グループの論文;Cell Reports : received 2015 Jun 22; published 2015 Dec 31) Darmanis, S. et al. "Simultaneous Multiplexed Measurement of RNA and Proteins in Single Cells." Cell Rep. 2016 Jan 12;14(2):380-9. Published online 2015 Dec 31.
- 単一細胞をFACSで分離・溶解し、単一細胞溶解液を分割して、一方について後述のproximity extension assay (PEA) 法によってタンパク質を測定し、もう一方についてTagManアッセイによってRNAを測定.現時点でRNAとタンパク質〜96セットの同時測定を実現しているが、拡張可能.
- PEA法:標的タンパク質に結合する一組の抗体を用意する.2種類の抗体にはそれぞれ、その3'末端が互いに相補的なオリゴヌクレオチドを結合しておく.細胞内で同一タンパク質に結合した2種類の抗体のそれぞれに結合したオリゴヌクレオチドが近接し(proximity)増幅可能なDNAレポーターが生成される.これをTaqManアッセイ法によってリアルタイムPCR定量する.
- Uppsala大学病院においてグレード4のグリオブラストーマ患者由来の初期継代細胞に対する骨形成因子4(bone morphogenetic protein 4: BMP4)投与の効果をみた(BPM4は、TGF−βスーパーファミリーに属するサイトカインであるが、アストログリア分化を誘導することでがん幹前駆細胞の数を減じて腫瘍増殖を抑制することが想定され、近年グリオブラストーマの治療剤候補として注目を集めている).
- BMP4の投与に対する細胞集団の細胞応答は、RNAのレベルからみてもタンパク質のレベルから見ても、不均質であり、細胞手段の一部がBMP4に対する耐性を示した.その一方で、単一細胞の解像度でみていくと、RNAとタンパク質との間の相関は低く、タンパク質の方がBMP4に対する細胞応答のより良い指標であった.
- 【関連ブログ記事】 PLAYR: 単一細胞におけるRNAとタンパク質の高多重度の同時検出
- ライフサイエンス新着論文レビュー「生細胞におけるリアルタイムでの1分子のmRNAからの翻訳のダイナミクスの可視化および定量」森崎達也・Timothy J. Stasevich 2016年5月30日;Science. 2016 Jun 17;352(6292):1425-9. doi: 10.1126/science.aaf0899. Epub 2016 May 5.
- 創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/02/16:[NEWS & VIEWS]細胞内のタンパク質の量は、mRNAレベルで調節されるのか、タンパク質の合成・分解レベルで調節されるのか、それが問題だ(crisp_bio再投稿 2017/05/07)
- ライフサイエンス 新着論文レビュー「単一の生細胞におけるプロテオームとトランスクリプトームとを単一分子検出感度で定量化する」谷口 雄一 2010年9月10日. ;Science. 2010 Jul 30;329(5991):533-8. doi: 10.1126/science.1188308 ; “単一細胞においては内在するmRNA数とタンパク質数との間には相関のないことが判明した.この非相関性のおもな理由としてmRNAの分解時間の速さがあげられる.RNA-seq法を用いてmRNAの分解時定数を調べたところ,数分以下であった” (© 2010 谷口 雄一 Licensed under CC 表示 2.1 日本)



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