2022-11-13 記事タイトルを「細胞毒性を帯びたDddAデアミナーゼを二分割して利用するLiuグループのDdCBEに対して,無毒な完全長DddA毒素変異体をベースとするmDdCBEにより,より効率と可用性が高いDdCBEを開発」から、「細胞毒性を帯びたDddAの分割に変えて無毒変異体を作出することで高効率かつ可用性が高いmDdCBEを開発」に改訂
[出典] "Base editing in human cells with monomeric DddA-TALE fusion deaminases" Mok YG, Lee JM, Chung E [..] Kim JS. Nat Commun. 2022-070-12. https://doi.org/10.1038/s41467-022-31745-y [著者所属] Institute for Basic Science (Daejeon), Seoul National U. 
 Liuグループは,Burkholderia cenocepacia 由来の細胞毒性を帯びたデアミナーゼの触媒ドメインDddAを二分割し,それぞれを転写活性化因子様エフェクターTALEに結合するC-to-T変換塩基エディターDdCBE (以下,二量体DdCBE) [*] を開発していた.これに対して,韓国の研究グループは,無害化した完全長DddA毒素変異体をベースとする単量体DdCBE (monomeric DdCBE, mDdCBE)を開発した.
  • 二量体DdCBEは,容量が小さいウイルスベクターによるデリバーが困難であるが,mDbCBEの場合はAAVでデリバリー可能である.
  • mDdCBEをヒト細胞で一過性に発現させることで,最大50%の高い効率でミトコンドリアDNA編集を実現できる.
  • AAVを介してヒト培養細胞に発現させたmDdCBEが、ミトコンドリアDNAのほぼ均質なC-to-T編集を達成できる.
  • mDdCBEは従来の二量体DdCBEで得られた変異パターンと異なる変異パターンをしばしば生じさせる.
  • mDdCBEは,1つのTALEタンパク質しか設計できないような部位での塩基編集を可能にする.
  • プラスミドではなく,mDdCBEをコードするmRNAをトランスフェクションすることで,ヒト・ミトコンドリアDNAのオフターゲット編集を低減できる.
 [*]