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論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

[注] 体細胞核移植 (somatic cell nucleus transfer, SCNT)
[出典] "Cloning and base editing of GFP transgenic rhesus monkey and off-target analysis" Kang Y, Lai S, Zeng Y, Wang F [..] Ji W, Niu Y. Sci Adv. 2022-07-22. https://doi.org/10.1126/sciadv.abo3123 [著者所属] Kumming U Science and Technology, Yunnan Key Laboratory of Primate Biomedical Research.
 中国の研究チームが今回,SCNTによる12歳のトランスジェニックGFPサルのクローニングとABEによる胚の塩基編集を行い,ABEの安全性を評価した.
  • はじめに,293T細胞において,ABEmaxを介したA-to-G変換を介して,GFPの不活性化されることを確認した.
  • 続いて,GFPを発現するアカゲザル由来の細胞を用いて,ABEmax編集胚 (SCNT-ABE)207個と野生型胚 (SCNT)87個を作成し,胚移植,遺伝子型決定,ゲノム,およびトランスクリプトーム解析を行った.
  • SCNT-ABEとSCNTの胚を比較するABE-mediated GFP knockout in SCNT monkey.OA-SCNT (off-target analysis by somatic cell nuclear transfer)と名付けた新しい方法を用いて,精密なオフターゲット解析を行なった (これまでは,オフターゲット変異と,アカゲザル個体に見られる膨大なSNPsとの識別が困難であった) [Figure 1 A/B/C引用右図参照].
  • ABEmaxは,明らかなオフターゲットDNA変異を誘発しないが,編集されたサル胚の35%に,エクソン性である広範囲なオフターゲットRNA変異を誘発することを発見した.
 こうして,ABEの臨床応用のために重要な知見が得られた.
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