[出典] PROTOCOL "Designing and executing prime editing experiments in mammalian cells" Doman JL, Sousa AA [..] Liu DR. Nat Protoc 2022-08-08. https://doi.org/10.1038/s41596-022-00724-4 [所属機関] The Broad Institute of MIT and Harvard, Harvard University, HHMI 
 PEは,Casヌクレアーゼによる二本鎖DNA切断 (DSB)を介さずに,細胞や生体に意図した置換,挿入,欠失を導入可能とする精密遺伝子編集技術である.PEはまた,相同組み換え修復 (HDR)過程を利用する遺伝子編集と比較すると,細胞の複製や内在性DNA修復過程への依存度が低いこともあり,インデルや他の望ましくない編集が最小限に抑えられる.
 PEは,最初の発表以来,その機能を拡張してきた:
  • 機能拡張されたPEシステムであるPE4とPE5は,DNA修復経路の操作を介して,効率向上とインデル抑制が実現されている.
  • PEの効率向上については,pegRNAの3′末端を安定化し保護する構造化RNAモチーフを含むengineered pegRNA (epegRNAs),エディターの発現と核局在性を向上させるPEmaxアーキテクチャも作出されている.
  • ツインPE (twinPE)は,数百塩基対のDNAを正確に挿入または削除を可能にし,また,5 kbを超える遺伝子の挿入や逆位を達成するためにリコンビナーゼと同時に使用可能である.
 PEによる最適な遺伝子組換え反応を達成するためには,慎重に実験を設計する必要である.遺伝子組換え反応の結果に影響を与えるパラメーターは多種多様であり,最適化は簡単ではない.
 本プロトコールでは,PEおよびtwinPE実験を行うための現在のベストプラクティスを説明し.pegRNAの設計と最適化を説明する.また,アプリケーションに適したPEシステム (PE1~PE5およびtwinPE)を選択するガイドラインも提供する,最後に、哺乳類細胞でPEを実施するプロトコルを詳細に越明する.ヒト細胞を編集する手法として,PEは他の方法よりも高い精度と汎用性を備えている.なお,PEの実験は,2-4週間以内に完了することができる.
 
 [図表一覧 (詳細プロトコルに含まれている図表は除く)]