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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

[注] トランスレジオン (translesion): DNA損傷部を無視して進行するDNA複製
[出典] "Engineering of the Translesion DNA Synthesis Pathway Enables Controllable C-to-G and C-to-A Base Editing in Corynebacterium glutamicum " Wang Y [..] Zheng P, Bi C, Zhang X, Sun J. ACS Synth Biol 2022-09-13. https://doi.org/10.1021/acssynbio.2c00265 [著者所属] Tianjin Institute of Industrial Biotechnology, National Technology Innovation Center of Synthetic Biology, University of Chinese Academy of Sciences, Tianjin University of Science and Technology. 
 一連の塩基エディター (BEs)やプライムエディタ- (PE)などのよって塩基変換の種類が拡大されてきたが、編集結果を制御する機構を理解することで、新たな塩基編集法を開発することが可能である。中国の研究チームは今回、大腸菌において、DNAポリメラーゼVを介したトランスレジオンDNA合成 (translesion DNA synthesis, TLS)経路が、グリコシラーゼ塩基編集酵素 (GBE)によるC-to-A編集を制御していることを見出した。しかし、大腸菌に対してコリネ菌 (Corynebacterium glutamicum )では、意外にもC-to-G変換がGBEの主要産物であった。
 続いて、大腸菌のTLS経路をTLS欠損のC. glutamicum変異体に導入することで、GBEの結果がC→GからC→Aへと完全に変化した。そこで、C. glutamicum において、標準的なC-to-Tエディターと組み合わせることで、先駆的なC-to-N塩基編集ツールボックスを確立するに至った。
 本研究は、TLSシステムの工学的利用による高度なゲノム編集ツールの開発の可能性を示した。
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