[出典] "Structural basis of AcrIF24 as an anti-CRISPR protein and transcriptional suppressor" Mukherjee IA, Gabel C, Noinaj N, Bondy-Denomy J, Chang L. Nat Chem Biol 2022-09-26. https://doi.org/10.1038/s41589-022-01137-w [著者所属] Purdue University, UCSF, Innovative Genomics Institute; グラフィカルアブストラクト
抗CRISPR (Acr) タンパク質は、ファージがバクテリアやアーケアのCRISPR-Casシステムに対抗する因子として進化してきたとされているが、現在は、CRISPR-Casゲノム編集を制御するツールとして利用が広がっている。
研究チームは今回、緑膿菌のタイプI-F CRISPR-Casシステムを阻害するAcrタンパク質、AcrIF24の構造と機構を報告した。
- AcrIF24は、監視複合体(surveillance complex, Csy)の2つのコピーと会合し、CRISPR RNAと標的DNAのハイブリダイゼーションを阻害するホモダイマーである。
- AcrIF24は抗CRISPR-associated (Aca)タンパク質として機能し、acrIF23-acrIF24オペロンの転写を抑制する。
- AcrIF24は単独またはCsyとの複合体として、acrIF23-acrIF24プロモーターDNAにナノモルの親和性で結合することが可能である。
- 研究チームは、Csy-AcrIF24-プロモーターDNA複合体の2.7Åのクライオ電顕法による再構成構造から、転写抑制の機構も明らかにした
[PDB登録データ]
[注] 今回の報告は、2022年4月11日にNature Communication 誌から刊行された北京化工大学, 清華大学,上海高等研究院などの研究グループの報告[*]と概ね整合している: [*]2022-04-23 抗CRISPRタンパク質AcrIF24がタイプI-F CRISPRシステム (Csy複合体)を不活性化する構造基盤 https://crisp-bio.blog.jp/archives/29046882.html]
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