[出典] Commentary "Expanding CRISPR repertoire using CjCas9 as a smaller editing tool" Francis C, Amiji M. Mol Ther Nucleic Acids 2022-09-30. https://doi.org/10.1016/j.omtn.2022.09.013 [著者所属] Northeastern University, Pfizer Inc, Northeastern University.
Campylobacter jejuni 由来のCas9タンパク質CjCas9は、
出典のTable 1から運用した右図にあるように、AAVで送達する観点からサイズが十分小さいことに加えて、PAM配列がNNNNRYACまたはNNNNACACと拡張されており、オンターゲットへの特異性の向上とオフターゲット切断の低減を期待できる [*1, 2]。著者らは今回、韓国の研究チームによるCjCas9を利用した血友病マウスモデルの遺伝子治療の試み [*3]を解説した。
出典のTable 1から運用した右図にあるように、AAVで送達する観点からサイズが十分小さいことに加えて、PAM配列がNNNNRYACまたはNNNNACACと拡張されており、オンターゲットへの特異性の向上とオフターゲット切断の低減を期待できる [*1, 2]。著者らは今回、韓国の研究チームによるCjCas9を利用した血友病マウスモデルの遺伝子治療の試み [*3]を解説した。 韓国の研究チームは、in vitroで治療標的を同定し、その標的を介してマウスモデルin vivo で血友病の治療を試みた。
研究チームはまず、ヒト肝癌由来HepG2細胞において有望な遺伝子座としてAPOC3(アポリポ蛋白C3)およびHP(ハプトグロビン)遺伝子座を同定した。APOC3遺伝子座には、(1)高いオンターゲットCjCas9特異性、(2)ペイロードの組み込み部位としてヒトでの心臓保護効果が期待できる、(3)ペイロード発現用の強いプロモーターが存在する、という利点がある。
研究チームは、APOC3遺伝子座を標的とするCjCas9によるFactor IX(FIX)ターゲッティングを確認した上で、ヒトの臨床目的のターゲットであるAPOC3遺伝子座を含むヒト化マウスモデルを開発し、CjCas9をパッケージしたAAV8とAPOC3を標的とするsgRNAをベースに、ゲノム相同性に依存しない相同アーム (HA)を利用した相同組み換え (HR)、HITI法、およびAAVトラップ法を介して、ヒトAPOC3遺伝子座を標的とするFactor IX(FIX)ターゲッティングを試みた。
このターゲティングは用量依存的であり、
in silico で予測されたオフターゲットは見られずターゲッティングの特異性が証明された。FIXの発現レベルは、HA/HR、双方向性FIXペイロードAAVトラップ、HITIの順になった [Figure 4引用右図参照]。
このターゲティングは用量依存的であり、
in silico で予測されたオフターゲットは見られずターゲッティングの特異性が証明された。FIXの発現レベルは、HA/HR、双方向性FIXペイロードAAVトラップ、HITIの順になった [Figure 4引用右図参照]。 さらに、ヘモフィリックAPOC3+マウスモデルにおいて、AAV CjCas9/sgRNAと双方向性FIXペイロードの共投与をテストし、目的とするターゲッティングは肝臓に限定され、他の臓器はほとんど編集されないか、オフターゲットの編集だけが見られた。
今回の研究では、ターゲッティング/統合の効率が低くても、治療レベルに達する遺伝子発現のための強力なプロモーターを利用することで克服可能なことを示した点も注目に値する。
[*] 引用文献と参考crisp_bio記事
- REVIEW "CRISPR Systems Suitable for Single AAV Vector Delivery" Stevanovic M, Piotter E, McClements M, MacLaren R (University of Oxford). Curr Gene Ther 2021-10-06. https://doi.org/10.2174/1566523221666211006120355
- crisp_bio 2022-03-12 コンパクトなCjCas9の高活性かつ広域標的版変異体 'enCjCas9"を合理的に設計 https://crisp-bio.blog.jp/archives/28851483.html; ライフサイエンス新着論文レビュー "細菌Campylobacter jejuni に由来する最小のCas9の結晶構造" 山田真理・渡邊裕斗・西増弘志・濡木 理
- "Genome editing-mediated knock-in of therapeutic genes ameliorates the disease phenotype in a model of hemophilia" Lee JH, Oh HK [..] Yeom SC, Song DW. Mol Ther Nucleic Acids 2022-08-04. https://doi.org/10.1016/j.omtn.2022.08.002 [著者所属] Seoul National University, Toolgen Incorporated.
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