2023-10-28 Molecular Therapy Nucleic Acids 誌から査読済み論文として刊行されたことを受けて、書誌情報を改訂
2022-10-16 bioRxiv投稿に準拠した初稿
[注] HSPS (hematopoietic stem and progenitor cell/造血幹・前駆細胞);HDR (Homology Directed Repair/相同組換え修復);SCID (Severe combined immunodeficiency/重症複合免疫不全症)
[出典] "Multiplex HDR for Disease and Correction Modeling of SCID by CRISPR Genome Editing in Human HSPCs" Iancu O, Allen D, Knop O [..] Hendel A. (bioRxiv 2022-10-07) . Mol Ther Nucleic Acids. 2022-12-09. https://doi.org/10.1016/j.omtn.2022.12.006  [著者所属] Bar-Ilan University, Edmond and Lily Safra Children's Hospital, Chaim Sheba Medical Cente, Tel Aviv University
 
 SCIDは単一遺伝子異常による原発性免疫不全症の一群である。患者自身のHSPCを生体外でCRISPR-Cas9遺伝子編集することにより、SCIDの治療の現在のゴールドスタンダードである同種造血幹細胞移植(hematopoietic stem cell transplantation, HSCT)に代わる治療法を提供することができる可能性がある。
 
 CRISPR-Cas9/rAAV6システムを利用して、健常者由来のCD34+HSPCsに遺伝子編集を加えることで、希少患者のサンプルを使用することなく、SCIDのモデリングと多重化
HDRを用いたSCIDに対する遺伝子編集療法の治療成果のモデリングを実現した。
  • はじめに、リンパ球の発生に重要な遺伝子の両アレルをノックアウトすることによりSCID疾患モデルを構築し、次に、ノックイン/ノックアウト(KI-KO)戦略を確立して単一アレル遺伝子の補正の概念実証実験を行なった。
  • SCIDは潜性疾患であるため、対立遺伝子を1つだけ修正すれば十分治癒する。RAG2-SCID患者由来のCD34+ HSPCの変異遺伝子を修正し、体外T細胞分化(IVTD)プラットフォームにおいて多様なTCRレパートリーを持つCD3+ T細胞の誘導に成功した。
 本研究は、SCIDやその他の潜性血液疾患に対するCRISPR-Cas9による遺伝子補正の最適な構成を研究者が決定する方法と、これらの技術を患者由来のCD34+ HSPCsにおける遺伝子補正に応用する可能性の両方を提示した。