[出典] "CRISPR-based oligo recombineering prioritizes apicomplexan cysteines for drug discovery" Benns HJ [..] Tate EW, Child MA. Nat Microbiol 2022-10-20. https://doi.org/10.1038/s41564-022-01249-y [著者所属]  Imperial College London, Imperial College Translation & Innovation Hub, Boston College, U Dundee, U New South Wales, 
 求核性アミノ酸は共有結合性医薬品開発において重要であるが、抗微生物標的として十分に利用されていない。ケモプロテオミクス技術は、求電子プローブに対する固有の反応性を利用して、標的タンパク質の中で化学的にアクセス可能な残基を探索するために開発されたが、どの化学反応部位がタンパク質の機能に貢献し、したがって創薬のために優先されるべきかを識別することはできない。
 著者らは今回、CRISPR技術をベースとするオリゴ組み換え技術(CRISPR-based oligo recombineering, CORe)プラットフォームを開発し、ハプロイド系における化学反応部位の迅速な同定、機能の優先順位付け、合理的なターゲティングを実現した。
 実証実験では、共有結合性リガンドを有するタンパク質を網羅的に探索する手法であるisoTOP-ABPP (isotopic tandem orthogonal proteolysis-activity-based protein profiling) にCOReを組み合わせて、真核生物病原体であるトキソプラズマ(Toxoplasma gondii )のタンパク質における求核性アミノ酸であるシステインの求電子剤感受性をプロファイリングし、新たな治療標的の優先順位を設定した。
 また、マラリア原虫(Plasmodium falciparum ) との進化関係を利用して、システインを標的とする求電子フラグメントが、マラリア原虫のタンパク質翻訳を阻害することを確認した。

 [関連crips_bio記事]