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論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

1.[ビデオ・プロトコル] 原論文:CRISPR-contaemerによるパラログ同時ノックアウト(Dev Biol. 2016 Dec 15;420(2):271-277
 多重gRNAsをコンカテマー(concatemer)・ベクターに1段階クローニング;小腸オルガノイドで、Wntパスウエイの負の制御因子パラログをノックアウトし、Wntパスウエイの恒常的活性化を実現;本手法は単一遺伝子の効率的編集にも有用
2.多重化CRISPRによる19種類のWntリガンドと10種類のFrizzled(FZD)受容体の相互作用マッピング
 FZD1, FZD2, and FZD7の多重変異細胞株作出し、Wntリガンド非結合を確認;遺伝子レスキュー実験から多対多の相互作用マップを作成
3.米国初のヒト胚遺伝子編集(論文未発表)
 Oregon Health and Science Universityのシュークラト・ミタリポフら;遺伝的疾患をもつ男性由来精子からの体外受精卵を対象;受精と同時にCRISPRを注入することで、中国での先行例に対してモザイク現象を大きく低減、とされる
[マウス胚での先行研究] Suzuki T, Asami M, Perry AC. “Asymmetric parental genome engineering 
by Cas9 during mouse meiotic exit.” Sci Rep. 2014 Dec 23;4:7621
Editing hEbryo
4.オキシテトラサイクリン産生放線菌Streptomyces rimosusの遺伝子編集
 遺伝子zwf2とdevBを標的としてエレクトロポレーション、1塩基変異、2塩基変異および8塩基削除;オキシテトラサイクリン産生36.8%増を達成
5.[レビュー]Cas9からのゲノム編集技術の展開
 Target-AIDを開発した神戸大学近藤明彦らによるレビュー;Cas9オーソログと改変;転写活性化/抑制因子の融合;エピゲノム修飾因子の融合;デアミナーゼの融合
6.[プロトコル] gRNAを延長しエフェクター蛋白質の足場とするCRISPR scaffold RNAs (scRNAs)による酵母の転写調節
 dCas9+scRNAsにより、複数遺伝子の認識と遺伝子ごとの転写活性化/抑制することで、酵母の代謝パスウエイを調節(原論文Graphical Abstract参照:Cell. 2015 Jan 15;160(1-2):339-50.Published online 2014 Dec 18
7.ヒト上皮性卵巣癌幹細胞の薬剤耐性と腫瘍形成能が低減する
 クロロキンまたはCRISPR/Cas9によるATG5ノックアウト実験で裏付け
8.ヒトβグロビン遺伝子座調節領域(LCR)の高感受性部位の赤血球特異的転写因子結合モチーフを標的とするCRISPR/Cas9編集
 主として20bp未満の領域を削除;個々の転写因子の不活性化の影響を、他の転写因子とは独立に解析可能に
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