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論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

[出典] "Exploring and engineering PAM-diverse Streptococci Cas9 for PAM-directed bifunctional and titratable gene control in bacteria" Wang J [..] Yan Y. Metab Eng 2022-10-29. https://doi.org/10.1016/j.ymben.2022.10.005 [著者所属] U Georgia, North Oconee High School
 S. pyogenes のプロトタイプSpCas9を含むほとんどのStreptococci Cas9は、PAMと相互作用する(PI)ドメイン内に保存されているRxR PAM結合モチーフを介して、標準的なNGG PAMを特異的に認識する。また、SpCas9を用いたマイニングにより、Streptococci Cas9のオーソログのうち、3つの異なるPAM結合モチーフ(QxxxR、QxQ、RxQ)が明らかにされた。
 S. equinus由来のQxxxRを含むSeCas9の不活性化SedCas9を対象に、計算機予測および変異導入解析により、NAG PAMを認識する機構を明らかにし、SedCas9のPIドメインを別のPAM結合モチーフに置き換えることで、NGGまたはNAAをPAMとして認識可能にした。 
 さらに、変異を最小限に抑えた半合理的な設計により、NNGをPAMとして認識し、強い活性を示すSedCas9-NQ変異体を作成した。
 続いて、SedCas9-NQ変異体をベースに遺伝子の活性化と抑制および滴定可能な小型の転写制因子を設計した。大腸菌において、ω-SedCas9-NQを介して内因性遺伝子をリプログラミングすることにより、4-ヒドロキシクマリン生産量の2.6倍増量を実現した。
 本研究では、PAMの制限を緩和するPAM結合モチーフを持つ新しいCas9スキャフォールドを明らかにし、バクテリアにおける多様な遺伝子制御のための新しい"PAM-diverse Cas9"バリアントを作成した。
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