[注] HDR (Homology-Directed Repai / 相同組み換え修復); Mdx (筋ジストロフィーモデル)
[出典] PROTOCOL "Restoration of Dystrophin Expression in Mdx-Derived Muscle Progenitor Cells Using CRISPR/Cas9 System and Homology-Directed Repair Technology". Jin Y, Shen Y, Kim IM, Weintraub NL, Hamrick M, Tang Y.  In: Maruyama, R., Yokota, T. (eds) Muscular Dystrophy Therapeutics. Methods Mol Biol. 2022-11-19. https://doi.org/10.1007/978-1-0716-2772-3_23 [著者所属] Augusta U,  Indiana U School of Medicine
 デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)は、ジストロフィンタンパク質をコードする遺伝子の変異によって引き起こされ、最終的に筋原性前駆細胞の枯渇をもたらす進行性の筋疾患である。これまでに、iPSC細胞でジストロフィン遺伝子を正しく発現させるために、CRISPR/Cas9遺伝子編集技術による変異エクソン23(ΔEx23)の除去などいくつかのアプローチが用いられてきた。しかし、これらのアプローチは、コロニーピッキングや対立遺伝子のジェノタイピングなど多大な時間と労力を必要としていた。
 ここでは、Mdxマウス由来iPS細胞において、CRISPR/Cas9 HDRを介して、筋分化を誘導する転写因子MyoD遺伝子による筋原性プログラムを誘導することにより、ジストロフィン遺伝子の機能を回復するプロトコルを紹介する。
 
[原著論文と紹介crisp_bio記事] (挿入図は原著論文から引用) DMD