crisp_bio

論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

[注] DMD(Duchenne muscular dystrophy / デュシェンヌ型筋ジストロフィー)
[出典] PROTOCOL "Preparation of NanoMEDIC Extracellular Vesicles to Deliver CRISPR-Cas9 Ribonucleoproteins for Genomic Exon Skipping" Watanabe K, Gee P, Hotta A.  In: Maruyama, R., Yokota, T. (eds) Muscular Dystrophy Therapeutics. Methods Mol Biol. 2022-11-19. https://doi.org/10.1007/978-1-0716-2772-3_22 [著者所属] CiRA (京大), Takeda-CiRA Joint Program (T-CiRA), MaxCyte Inc (USA)
 CRISPR-Casシステムをアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターで導入することで、デュシェンヌ型筋ジストロフィーモデル動物においてゲノムエキソンのスキップを誘導し、ジストロフィンタンパク質を回復させることに成功している。AAVによる導入は効率が高いが、積み荷のサイズ制限、AAVキャプシドの免疫原性、AAVゲノムの一部のヒトゲノムへの組み込みリスク、および、Cas9の長時間にわたる過剰発現といった課題を伴っている。
 細胞膜から放出されるナノサイズのカプセルであるウイルス様粒子(VLP)をベースとする人工の細胞外小胞(extracellular vesicles: EVs)を利用した一過性の送達システムNanoMEDIC (nanomembrane-derived extracellular vesicles for the delivery of macromolecular cargo) は、様々な標的細胞や生体内に、ゲノム編集用のCas9タンパク質とgRNAを高効率にパッケージングする。ここでは、in vivo  でのゲノム編集のためのgRNA発現ベクターの構築とナノメディックの大量生産を含むステップバイステップのプロトコルを説明する。
 
 [関連crisp_bio記事と論文] (挿入図は原著論文から引用)NanoMEDIC
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