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論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

[出典] "Identifying Anti-CRISPR Small Molecules via High-throughput Assay" Lim D, Sreekanth V, Choudhary A. Research Square 2022-11-17 [プレプリント]. https://doi.org/10.21203/rs.3.pex-1954/v1  [著者所属] Harvard Medical School, Harvard Medical School, Brigham and Women’s Hospital
[注] 2022年11月Nat Cell Biol 刊行論文 [*]に対応するプロトコル論文
 FRETをベースに構築したSpCas9の累積活性アッセイ(CAA)法を解説する。"CAA"は、CRISPR-Cas9システムが、PAMに結合し、構造を変化させ、標的および非標的鎖を切断するまでの触媒ステップの全てをアッセイ可能にする。
 このアッセイは、DNA切断後にCas9が二本鎖DNA基質に結合する一方で、5′遠位非標的鎖がCas9に弱く保持され、過剰な相補的一本鎖DNAを介して変位しうるという観察に基づいている。CAAでは、DNA基質中の非標的鎖の5′末端をAlexa-Fluor 647で標識し、置換する一本鎖DNAの3′末端にクエンチャーを付加している。活性ヌクレアーゼによるDNA基質の切断後、過剰な一本鎖DNAが基質の3′鎖に勝って5′鎖にアニールし、蛍光を消光してSpCas9活性の光学的読み出しを提供する。したがって、Cas9を阻害する低分子が存在すると、高い蛍光シグナルが発生する。
 このFRETアッセイは、多数の化学物質ライブラリーをテストするハイスループットスクリーニングに適している。

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