[出典] REVIEW "Improvements in the genetic editing technologies: CRISPR-Cas and beyond" Mingarro G, del Olmo MI. Gene 2022-11-23. https://doi.org/10.1016/j.gene.2022.147064 [著者所属] U València
 グラフィカルアブストラクトに、2013年から2022年までのCRISPR-Casシステムをベースにしたゲノム編集技術の進歩が年表風にまとめられている。
 遺伝子編集は、科学界だけでなく、社会一般にとっても大きな希望である。遺伝子変異に由来する疾患の治療への応用が期待されるからである。この目標を達成する最初の現実的なアプローチは、CRISPRツールの開発によってもたらされた。このレビューでは、より効率的で安全なゲノム編集を実現するために考案されてきた工夫について述べる。
 初期のCRISPR-Cas遺伝子編集システムは、効率が低く、また、望ましくない編集産物が生じた。これらの問題を解決するために、塩基エディター(BE)などの新しいアプローチが登場した。さらに、CRISPRに付随するトランスポーザーゼによるDNA断片の挿入の発見と利用が続き、またIscBファミリーのような他のプログラム可能なヌクレアーゼの発見により、編集に利用できるタンパク質の範囲が大幅に広がるなど、興味深い手段が多数開発されている。また、BEの限界を克服するために、プライムエディター(PE)が誕生した。この新しいシステムは、BEと比較していくつかの欠点はあるものの、あらゆる点変異を生成する可能性を持っている。また、デュアルプライム編集システム(ツインプライムや相同3'伸長を介したPEなど)が開発され、それぞれ標的領域への比較的大規模な挿入を可能にし、編集結果を向上させることができるようになった。さらに、遺伝子編集技術の進歩は、Replication Interrupted Template-Driven DNA Modification (RITDM) [*]に見られるように、CRISPR依存システムだけに限られない。

[*] "Cleavage-free human genome editing" Kuang C, Xiao Y, Hondmann D. Mol Ther 2022-01-05/2021-12-02. https://doi.org/10.1016/j.ymthe.2021.12.001