2024-09-01 2024年のNulceic Acids Research 誌刊行論文を以下に引用
[出典] “The SAVED domain of the type III CRISPR protease CalpL is a ring nuclease” Binder SC, Schneberger N [..] Hagelueken G. Nucleic Acids Res. 2024-08-21. https://doi.org/10.1093/nar/gkae676
原核生物のCRISPR-Cas免疫システムは、ウイルスなどの外来核酸を検出し、切断する。タイプIII CRISPR-Casシステムでは、標的を認識するとCas10サブユニットが環状オリゴアデニル酸(cOA)を合成し、cOAが下流の補助的なエフェクタータンパク質を活性化するセカンドメッセンジャーとして機能する。
ウイルスの攻撃が収束した後、抗ウイルス反応を抑制し、細胞の回復を促すためには、残存するcOAを除去する必要がある。cOAの分解に特化した、単独酵素として、あるいはエフェクタータンパク質のドメインとして、様々なリングヌクレアーゼファミリーが同定されている。
2022年 Nature 論文の研究チームは今回、cA4活性化CRISPR LonプロテアーゼCalpLのSAVEDドメインに固有のリングヌクレアーゼ活性を追究し、cA4切断の速度論的特徴を明らかにし、主要な触媒残基を同定した。cA4誘導性のCalpLオリゴマー形成がプロテアーゼの活性化だけでなく、ヌクレアーゼ活性にも必須であることを実証した。さらに、CalpLのヌクレアーゼ活性はプロテアーゼ反応に制約を課し、CalpL/T/Sシグナル伝達カスケードの制御機構を示唆した。
総じて、触媒的SAVEDドメインの存在を初めて実証したものであり、CRISPR防御システムにおける転写適応のダイナミクスに関する新たな知見をもたらした。
原核生物のCRISPR-Cas免疫システムは、ウイルスなどの外来核酸を検出し、切断する。タイプIII CRISPR-Casシステムでは、標的を認識するとCas10サブユニットが環状オリゴアデニル酸(cOA)を合成し、cOAが下流の補助的なエフェクタータンパク質を活性化するセカンドメッセンジャーとして機能する。
ウイルスの攻撃が収束した後、抗ウイルス反応を抑制し、細胞の回復を促すためには、残存するcOAを除去する必要がある。cOAの分解に特化した、単独酵素として、あるいはエフェクタータンパク質のドメインとして、様々なリングヌクレアーゼファミリーが同定されている。
2022年 Nature 論文の研究チームは今回、cA4活性化CRISPR LonプロテアーゼCalpLのSAVEDドメインに固有のリングヌクレアーゼ活性を追究し、cA4切断の速度論的特徴を明らかにし、主要な触媒残基を同定した。cA4誘導性のCalpLオリゴマー形成がプロテアーゼの活性化だけでなく、ヌクレアーゼ活性にも必須であることを実証した。さらに、CalpLのヌクレアーゼ活性はプロテアーゼ反応に制約を課し、CalpL/T/Sシグナル伝達カスケードの制御機構を示唆した。
総じて、触媒的SAVEDドメインの存在を初めて実証したものであり、CRISPR防御システムにおける転写適応のダイナミクスに関する新たな知見をもたらした。
2022-12-03 2022年のNature 誌刊行論文に準拠した初稿
[出典] "Antiviral signaling by a cyclic nucleotide activated CRISPR protease" Rouillon C, Schneberger N [..] Hagelueken G. Nature 2022-11-24. https://doi.org/10.1038/s41586-022-05571-7 [著者所属] U Bonn, MPI Max Neurobiology of Behavior, University and University Hospital Bonn, EMBL Hamburg Unit, U St Andrews (UK), U St Andrews North Haugh ("SAVED by a toxin: Structure and function of the CRISPR Lon protease". bioRxiv 2021-12-06) 原核生物には、よく知られているDNAを標的とするCas9やRNAを標的とするタイプIIIシステムといったCRISPR免疫機構が広がっている。タイプIIIシステムでは、外来RNAを認識すると環状オリゴアデニル酸(cOA)が合成され、複雑な抗ウイルス応答を組織化する。独英の研究チームは今回、タイプIIIシステムに関連し、cOAsと結合することが予測される多くのタンパク質群の中で、CRISPR関連Lonプロテアーゼ(CalpL)に注目した。
CalpLは、SAVED (SMODS-associated and fused to various effector domains) ファミリーのセンサードメインとLonプロテアーゼのエフェクタードメインが融合したものである。しかし、このエフェクターの作用機序は不明であった。研究チームは今回、Sulfurihydrogenibium spp. YO3AOP1由来CalpLの構造解析 (X線結晶構造解析, SAXSおよびAlphaFold2) と機能解析を行なった。
- CalpLが可溶性の単量体であり、同じオペロンにコードされる2種類のタンパク質、CalpTとCalpSと1:1:1の安定な三者複合体を形成する。
- CalpLは、cA4によって活性化されると、オリゴマー化し、ssRNAを切断するMazFのホモログであるCalpTを特異的に切断し、ECF σ因子 (細胞外機能シグマ因子) CalpSを複合体から遊離させた。
- こうして、CRISPRによる外来核酸の検出と転写制御の直接的な関連が示された。さらに、CRISPRエフェクターにcA4結合SAVEDドメインが存在することから、環状オリゴヌクレオチドを用いた抗ファージシグナル伝達系(cyclic oligonucleotide-based anti-phage signaling system: CBASS)との意外な関連性が明らかになった。
[CBASS関連crisp_bio記事]
- 2020-01-12 バクテリア防衛システムCBASSのヌクレアーゼNucCは、タイプIII CRISPR-Casシステムにも内在する. https://crisp-bio.blog.jp/archives/21530303.html

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